中国でLLM搭載のヒューマノイドロボット開発が加速

銀河通用が今年最大の7億元調達

AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)に基づいてヒューマノイド(人型)ロボットを開発する北京銀河通用機械人(Galbot、北京市)がこのほど、エンジェルラウンドで今年に入って最大規模となる7億元(約155億7500万円)を調達したことが分かった。

智能製造網などによると、北京銀河通用機械人はこのほど、エンジェルラウンドとしては今年最大規模の7億元を調達した。中国のネット出前サービス最大手の美団(メイトゥアン、北京市)傘下の投資会社、美団点評戦投のほか、画像認識大手の商湯科技(Sensetime、香港)やAIの有力ベンチャー、安徽科大訊飛信息科技(iFLYTEK、安徽省合肥市)の投資会社などが出資に参画した。

北京銀河通用機械人は2023年11月にも、エンジェル+で1億元を調達しており、LLMを搭載するヒューマノイドロボット開発企業として注目を集めている。

北京銀河通用機械人は今年5月、北京大学と共同で「北京大学・銀河通用の具現化知能共同研究室」を設立。双方は身体の動きやカタチから「知」が生じるとするロボットの設計論である「体性知能ロボット」分野の技術革新と産業への実装を推進する。

6月6日には、上海市で開催された「2024年中国ヒューマノイドロボット開発者会議」で、第1世代の車輪付きデュアルアーム万能ヒューマノイドロボット「蓋博特(Galbot)」を初披露。 Galbotは、汎用環境を認識し、ユーザーのさまざまな命令を理解することができるマルチモーダルのLLMを搭載し、95%以上の成功率で形状や材質にこだわらず手づかみできる汎用技術を備えているとされる。

AIのLLMに基づくヒューマノイドロボットの開発が進めば、中国でも人手不足が問題化しているサービス業や製造業のほか、教育や医療などの現場で実装化が加速し、市場が加速的に拡大するとみられている。

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)も今月21日、上海市で開催された「ファーウェイ開発者会議(HDC 2024)」で、同社開発のLLM「盤古」の機能を搭載したヒューマノイドロボット「夸父」を発表した。

夸父はロボットメーカーの楽聚機械人と共同で開発した製品で、LLM「盤古」によってロボットは10段階以上の複雑なタスク計画をこなし、マルチタスクを実現したとされる。「盤古」は、ロボットが必要とする学習ビデオも生成することができ、ロボットが複雑なシーンをより速く学習することを可能にするという。

Galbot 闪耀上海张江,银河通用展现前沿人形机器人技术风采

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