中国のIC輸出入、1~2月はプラスに転換

中国税関総署の7日発表によると、今年1~2月の中国のIC(集積回路)輸出額は前年同期比28.6%増の1607億1000万元(約3兆2821億3500万円)だった。輸入額は19%増の3886億8000万元となっており、年間で輸出入ともに前年比マイナスだった23年からプラスに転換した。

23年は景気減速の影響で、スマートフォンやノートパソコンを中心にコンシューマーエレクトロニクス(消費者用電子機器)の需要が世界的に停滞した上、米国の対中半導体輸出規制の影響で、先進半導体の輸入が著しく滞った。

半導体の輸入依存度を下げようと、中国が半導体チップの国内生産を強化していることも、23年の輸入減の要因だったとみられる。税関総署によると、中国の半導体チップ生産量は23年に増加し、ICの1~10月生産量は前年同期比0.9%増の2765億3000万個だった。うち10月は前年同月比34.5%増の312億8000万個となり、単月ベースとしてはここ数年で最も高い水準だった。

中国政府が柔軟な半導体サプライチェーンの構築を推進していることを追い風に、中国の半導体メーカーは足元で、従来型半導体の生産能力を積極的に引き上げている。これらの半導体は自動車や家電向けで、米国の規制措置の対象外だ。中でも中芯国際、華虹集団、合肥晶合集成は、駆動チップ、ISP(Image Signal Processor)/CMOSイメージセンサー(CIS)、パワー半導体デバイスを中心にハイピッチで生産増強を進めている。

中国の半導体メーカーのウエハー生産能力は、23年末現在で前年比12%増の月760万枚に拡大した。24年は13%増の860万枚に増強される見通しで、アナリストは「従来型半導体の大部分の国内需要が中国製で対応できる」とみている。

台湾の調査会社であるトレンドフォースは、23年に31%だった中国の成熟プロセス半導体生産能力の世界シェアは、27年に39%に上昇すると予測。半導体製造設備の調達が順調であれば、さらに上昇余地はあるとしている。

米調査会社ガートナーは24年の半導体業界について、パソコンやスマートフォン向けの在庫はすでにほぼ消化されており、24年はより鮮明な回復がみられると展望。英調査会社Omdia (オムディア)は、24年は電子機器やスマホの需要が回復し、メモリチップ価格が上昇するとの予測を示した。

(4)2024年1至2月全国进口重点商品量值表(人民币)

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