中国車メーカーが輸送船を自社所有、用船料高騰に対応
中国の自動車メーカーの間で、海上輸送能力の強化に向け、自動車専用船を自社所有する動きが広がっている。自動車専用船の用船料が高騰するなか、自社船を就航させて、輸送力不足とコスト増に対応する。
中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD、広東省深セン市) は今年1月、自社初となる車両運搬専用のRORO(ローロー)船「EXPLORER NO.1」が広東省深セン市を出港し、5,000台超のEVを欧州に輸送した。同社はすでに50億元を通じて、自社専用の自動車専用船を建造するとも報じられており、向こう2年間で8隻の自動車専用船を投入する計画とされる。
BYDだけでなく、輸出向け輸送能力の強化に向け、奇瑞、上海汽車、広州汽車集団などの車メーカーが続々と自社船を準備しており、中国の自動車業界は「自主海運」の新たな段階に入りつつある。
中国は昨年、日本を抜いて世界一の自動車輸出国になった。中国車メーカーは輸出規模を増やし続けており、需要が急拡大するなか、自動車専用船の用船料は1日10万米ドル(約1,485万円)に高騰した。自動車各社は自社で船を建造したり、購入したりして、輸送力の不足と高額な輸送費の問題を軽減する狙いだ。
業界関係者によると、自動車専用船の新造船発注量は2年連続で200隻増えた。そのうち中国の大手メーカーの注文で半分を占めたという。