中国で航空宇宙産業向け部品開発が活発化
中国で航空宇宙産業向けの航空機部品、エンジン部品、電子部品、機体搭載機器など重要部品の開発が活発化している。
航空宇宙産業向け重要部品は、航空機部品、エンジン部品、電子部品、機体搭載機器などを含み、大型旅客機や貨物機などの商用航空、戦闘機や輸送機などの軍事航空、衛星やロケットなどの宇宙開発の領域で活用されている。
中国では今年、部品製造業におけるイノベーションで、航空宇宙関連の研究チームや企業の活躍が目立った。
貴州省遵義市では11月24日、航空宇宙産業用部品製造業のイノベーション創出を促進する産学共同体の発足式が開かれ、機械工業信息研究院や全国航空工業職業教育教学指導委員会、貴州航天精工製造、貴州大学など全国各地120企業・団体が参加した。
6月には、国家機器人創新センターが自主開発した複雑曲面研磨ロボットが多くの重要技術でブレークスルーを果たし、航空機エンジンのタービンやギアといった重要部品の生産効率と品質の向上を実現した。
また8月には、中国科学院広州電子技術とハルビン工業大学が航空宇宙産業用重要部品の自動化スマート測量システムの分野で包括提携を締結した。中国科学院広州電子技術が精密3次元(3D)画像処理技術とソフトウエアアルゴリズムを、ハルビン工科大学は航空宇宙研究実験のための専門的な3次元データの取得と検査をそれぞれ提供する。
航空部品メーカーの陝西長羽航空装備(西安市)は9月、陝西省西安経済技術開発区で精密鍛造生産ライン、航空エンジン部品生産ラインの第1期工場を着工している。
調査会社の尚普咨詢集団によると、2022年の中国の航空宇宙産業の売上高は前年同期比8.3%増の1兆3000億元(約26兆1900億円)で、そのうち部品製造分野で13.8%を占めた。