ロボット制御装置で中国企業躍進、輸入依存から脱却へ

中国の産業用ロボット市場が急ピッチに拡大するなか、ロボットの3大構成部品の一つで、ロボットの“大脳”とも称される制御装置業界が新たな商機を迎えている。中国製の産ロボは基幹部品の輸入依存が課題の一つとなってきたが、国内企業は着実に技術力をつけており、国産化率は上がり続けている。

智能制造網によると、中国の産ロボ関連企業数は、2022年末時点で前年同期比11.7%増の7万6,200社だった。このうち産業ロボ向け制御装置を手掛ける上場企業は、埃斯頓自動化(ESTUN)埃夫特智能装備(EFORT)瀋陽新松機器人自動化(SIASUN)秦川機床工具(QCMT&T)海得控制滙川技術(INOVANCE)英威騰(INVT)などで、これら企業は、減速機やサーボモーターも手掛ける総合ロボメーカーとして、産ロボ業界で重要な役割を演じている。

このうちESTUNの2023年6月中間期決算は、売上高が前年同期比35.4%増の22億4,100万元(約462億2,000万円)、純利益が27.7%増の9,740億2,800万元だった。うち、自動化中核部品・運動制御システム部門の売上高は7.0%増の5億900万元で、22.7%を占めた。

また中国を代表するロボットベンチャーのEFORTは近年、制御装置、サーボモーター、減速機といったロボット基幹部品の自給率を高めており、制御装置については今年上半期の内製化率を98.9%に高めた。

このほか、制御システムの製造・販売を手掛ける上海新時達電気は今月10日の投資家向けオンライン説明会で、制御装置、サーボモーター、システムソフトウエアなどロボットの重要技術を完全に掌握したと発表した。

統計によると、22年の中国の産業用ロボットの関連企業数は前年比11.7%増の7万6,200社だった。

Tags: , , , , , , , , ,

関連記事