TSMCが「3Dblox」最新バージョン発表、3Dチップ設計を簡略化
半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、新竹市)はこのほど、「OIP 2023」(オープンイノベーションプラットフォームエコシステムフォーラム2023)を開催し、3次元(3D)チップ設計の開発効率を大幅に向上できる「3Dblox 2.0 」を発表した。
TSMCは昨年、3Dシステムのモジュール型トップダウン設計を容易にするソリューションとして、オープン標準の3Dbloxを発表しており、今回はその最新バージョンとなる。
米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、人工知能(AI)向け半導体「MI300」シリーズにおいて、3Dbloxを規格とした新しいパッケージング技術を導入し始めている。また、同業大手のエヌビディアは、AIやハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)アプリケーション向けの次世代のコンピュートGPU(画像処理装置)「B100」を来年下半期に投入すると予測されている。
台湾紙『工商時報』によると、TSMCの設計・技術プラットフォーム副総経理を務める魯立忠氏は、「アライアンス方式によってチップ開発を巡る業界エコシステムの統合に協力し、顧客の半導体メーカーがAIの新時代に入り込んでいくことをサポートする」と述べた。
IC設計関係者は、「半導体業界は、システムに必要な複数の異なる機能を一つのチップに集約したSoC(システムオンチップ)と、複数のチップを接続して、一つのチップのように機能させるチップレットの方向に向かっている。TSMCの規格は、チップ設計開発をより簡略化できるものであり、産業競争力の向上を促す」と指摘した。