TSMC、南京で28ナノ強化 米工場の4ナノ生産は遅れ

半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:台湾新竹市)は20日、江蘇省南京市の工場で、線幅28ナノメートル(nm)型の半導体の生産能力の拡充を進めていると明かした。

同日に開催した2023年第2四半期の業績説明会で、劉徳音会長が説明した。線幅22~28nm型半導体を製造する新工場を日本に新設する計画も順調に進んでおり、24年末の量産開始を見込むとした。

一方で劉会長は、建設を進めている米アリゾナ工場での4ナノ半導体の量産開始が、当初の24年から25年にずれ込む見通しを明らかにした。

TSMCは業績説明会で、25年に超先端技術となる2nm半導体の量産を予定しており、高性能演算向け、スマートフォン向けの用途に顧客が非常に高い関心を示していると説明した。

TSMCの3nmプロセスは半年以上前から量産を開始しているものの、このほど発表された23年第2四半期(4〜6月)の決算報告には関連の収益が計上されておらず、顧客からの注文も入っていないもようだ。 TSMC の5nmウエハー出荷量はウエハー総売上高の30%を占め、7nm以上の先端技術は53%を占めた。

TSMCの決算報告によると、23年第2四半期の売上高は前年同期比10.0%減の4,808億台湾元(約2兆1,636億円)、純利益は前年同期比23.3%減の1,818億台湾元。売上総利益率は54.1%(予想53.3%)だった。ノートブックPCやスマートフォンなどの需要が低迷が響いている。

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