黒芝麻智能、エッジAIの億智電子の経営権取得へ

AI(人工知能)チップの製造を手掛ける中国の黒芝麻智能科技(Black Sesame Technologies 、湖北省武漢市)はこのほど、エッジ側・デバイス側のAIチップ設計を手がける珠海億智電子科技(広東省珠海市)の経営権を取得する計画を発表した。総対価は約4億〜5億5000万元(約88億〜121億円)になる見通しだ。

取引が完了すれば、億智電子は黒芝麻智能の非全資子会社となり、財務業績は同社の連結財務諸表に取り込まれる予定。最終契約は2026年第1四半期(1〜3月)に締結される見込みだ。

黒芝麻智能は車載向けの車載向けスマートカーチップの開発に長期的に注力しており、「華山」「武当」シリーズのチップはすでにL2〜L3レベルの先進運転支援システム(ADAS)やスマートコックピット向けに量産採用されている。同社は複数の自動車メーカーや業界パートナーと協業関係を築き、最近香港取引所メインボードに上場するなど、自動車向けAIチップ領域での技術基盤と顧客基盤を強化している。

一方、億智電子はエッジ側・デバイス側のAIチップを主力とし、AI機械視覚アルゴリズムとSoC設計を軸にシステムレベルのソリューションを提供。製品は車載、スマートデバイス、スマートセキュリティなど幅広い分野をカバーしており、自社開発した複数シリーズのビジョンAIチップはすでに量産出荷され、一部の車規級プロジェクトでは流片や指定導入が完了している。

黒芝麻智能の車規級計算プラットフォームと、億智電子の端末側ビジョンAIおよびエッジ応用技術は互いに補完関係にある。取引が成立すれば、黒芝麻智能は自動車分野での強みを維持しつつ、防犯分野やコンシューマー向けスマートハードウェアなどへも事業を拡大し、「車規+端末側」の多シーンをカバーする製品・ソリューション体系を構築できる可能性が高い。

INSIDE INFORMATION UPDATE IN RELATION TO POSSIBLE ACQUISITION

珠海亿智电子科技

黑芝麻智能

Tags: , , , ,

関連記事