中国の電池各社、全固体電池事業で進展
中国の車載電池メーカーや材料サプライヤーが次世代電池の本命とされる全固体電池の分野で新しい動きを見せている。中国の固体電池市場は急成長期にあり、そのポテンシャルは巨大だ。中商産業研究院によると、2024年に17億元が予想される市場規模は、2030年に200億元(約4124億円)に膨らむと見込まれており、各社が固定電池の開発、実用化に向けた投資を拡大している。
深セン上場の電池メーカー、浙江南都電源動力(南都電源)は3日、固体電池開発を手掛ける子会社が試行事業の検証申請を行ったと発表した。同検証は年内に完了する見通しという。
自動車部品の阜新徳爾汽車部件股フンは2日、上海で建設を進める固体電池の試験ラインが年末に完成すると発表。電池リサイクルを手掛ける広東光華科技は同日、固体電池向けの硫化リチウムを年間300トン生産するラインが完成し、将来的に拡張計画もあると発表した。
車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)も固体電池への投資を加速しており、固体電池開発チームの規模は1000人を超えた。
自動車メーカーも固定電池の量産計画を進めている。上海汽車集団はこのほど、2026年に次世代固体電池の量産を開始する計画を明らかにした。
中国の調査会社、高工産業研究院(GGII)によると、中国の固体電池分野への累計投資額はすでに2000億元を超え、計画段階にある固定電池の生産設備は400ギガワット時(GWh)を超えた。巨額の投資マネーの流入と政策支援を背景に、固体電池産業のひな型は整いつつあり、公開情報によると、すでに200社を超える中国企業が参入した。そのうちの60社あまりは、固体電解質の開発を専門に手掛ける。