世界OLED市場で中国が存在感、2028年までに韓国抜く
世界のOLED(有機ELディスプレイ)市場で、中国の存在感が急速に増しいる。中国の生産能力は2028年に韓国を追い抜くと予想されている。
韓国の連合ニュースによると、韓国の市場調査会社DSCCは、世界のディスプレイ生産能力は23年から28年まで年平均1.4%の成長を予測している。 このうちLCD(液晶ディスプレイ)は年平均1%、OLEDは年平均4.8%で成長するとみている。
同調査データによると、世界のディスプレイ生産能力に占める中国のシェアは23年の68%から28年には74%に上昇し、一方で日本、韓国、中国、台湾の生産能力は縮小する。このうちLCDの生産能力では、中国のシェアは28年までに76%に達すると予想。OLED生産能力に関しては、23年から28年までの中国の年平均成長率は8%に達し、韓国の4倍の速さで成長するとしている。
■出遅れた中国が近年追いつく
中国のディスプレイの発展過程は、日本や韓国に比べてスタートが遅かった。 米国でLCDが発明されたが、商業化には至らず、日本のシャープが1972年初めにRCAからLCD技術を取得。 1990年代初めまでに、日本のディスプレイ生産能力は世界の94%を占めた。
韓国は1997年のアジア金融危機以降、大型LCD生産ラインの建設に多額の投資を行い、徐々に日本メーカーを追い抜いていった。98年には中国液晶パネル大手、京東方科技集団(BOE、北京市)がLCDの分野に参入し、2003年には韓国ヒュンダイのLCD生産ラインを買収して以来、BOEを筆頭に中国企業が急速にLCD産業を拡大し始めた。
BOEは今年1月、四川省成都市で630億元(約1兆3100億円)をかけて第8.6世代AMOLED(アクティブマトリクス式有機 ELディスプレイ)工場を着工しており、26年末までに量産を開始する予定。28年には第8.6世代のIT向けOLED生産能力はサムスンディスプレイを追い抜く見通しだ。
一方、サムスンディスプレイは新しい製品群の開発に注力している。今年4月、26年までに4兆1000億ウォン(約4510億元)を投資し、世界初の第8.6世代ITパネル向けOLEDを生産すると発表している。