中国の巨大衛星群計画が始動、最初の18基打ち上げ

25年末までに648基で通信サービス展開

中国山西省の太原衛星発射センターで6日、中国が進める通信用巨大衛星コンステレーション計画「千帆星座」の第1弾となる18基が打ち上げられ、予定軌道に入った。「中国版SpeaceX」が本格始動したことになる。

「千帆星座」は低軌道の宇宙空間で運用する衛星を用いたインターネット通信サービス網を構築するもので、上海市政府などが出資する上海垣信衛星科技が衛星の打ち上げ・運用を担う。年内に最低でも108基の打ち上げを終え、初歩的な商業サービス体制を構築する。

今回打ち上げた18基は「千帆星座」の第1世代(GEN1)衛星の第1弾。計画によると、25年末までに648基を打ち上げて、地域ネットワークを網羅し、さらに26~27年に第2世代(GEN1)衛星648基を順次打ち上げて、世界規模でのネットワーク提供を実現する。最終的には2030年までに1万5000基の衛星を運用し、全世界のユーザーに低遅延、高速、高信頼の衛星(ブロードバンド)インターネットサービスの提供を目指す。

衛星は軌道の高度別に、高軌道(GEO)衛星、中軌道(MEO)衛星、低軌道(LEO)衛星に分類され、現在、地球周辺を回っている衛星の85%が低軌道衛星だ。用途別では通信向けが圧倒的に多く、リモートセンシング向けと測位向けをはるかに上回る。低軌道衛星によるインターネット通信サービスは、イーロン・マスク氏率いる米企業スペースXの「スターリンク」が最大規模で、衛星4万2000基の体制を予定している。すでに6828基を打ち上げた。

科学技術分野の中国シンクタンク、泰伯智庫によると、中国の衛星インターネット産業の規模は年間2ケタのペースで拡大し、25年に751億元、30年に1512億元に達すると見通しだ。

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