小鵬汽車、次期EVからLiDARを廃止か 視覚リューションを採用へ
海外メディアCnEVPostの9日報道によると、中国の新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(シャオペン、広東省広州市)は、2024年第4四半期(10〜12月)に発売する新型車では高性能レーダー「LiDAR(ライダー)」を搭載しない計画だ。スマート・ドライビング・システムは視覚システムに移行する。
中国では、中国の民間自動車大手の吉利控股集団がインターネット大手の百度集団と共同で開発した人工知能(AI)搭載ロボットカー「極越」を除くほぼすべての国産EVメーカーが、スマート・ドライブ・ソフトウェアではLiDARを主軸として、さらにミリ波レーダーや高精細カメラなどで補助する融合知覚方式を採用している。一方、米Tesla(テスラ)の自動運転ソフト「FSD(Full Self-Driving)」は最初からLiDARを使用していない。
小鵬汽車は世界で初めて市販車にLiDARを搭載した企業だが、今後発売される新型車からLiDARを採用しなくする理由としては、何小鵬会長兼最高経営責任者(CEO)が6月末の訪米時にTeslaの運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を体験したことにあるとされる。シリコンバレーや高速道路での実際に乗車し、ソフトウェアの性能を「非常に優れている」と称賛したという。LiDERに比べコスト削減にもつながることが大きい。
中国のEVメーカーでは、視覚システムに移行する動きが出ている。理想汽車(Li Auto、北京市)も現在、「エンド・ツー・エンド(端から端まで、E2E)」や画像とテキストを複合して扱うVLM(Vision and Language Model)を基礎とする新しい自動運転技術アーキテクチャの開発を進めており、LiDARの役割を弱めている。