建設業界向けロボット開発の蔚建科技、1億元を調達
建設業界向けに建設用ロボットの開発を手掛ける中国の上海蔚建科技(上海市)はこのほど、AラウンドとA+ラウンド融資を合計で1億元(約17億8,800万円)調達した。同社は今後、建設用ロボットの研究開発(R&D)、市場開拓を強化する。15日付騰訊網が伝えた。
これまでにAラウンドで険峰K2VCが主導、紅杉中国、保利資本、線性資本が続いて投資。A+ラウンドでは保利資本が単独で融資、義柏資本が2つの融資の財務顧問を担う。
蔚建科技は2020年に設立。中国で唯一、建設現場向け塗装ロボットを開発する新興企業。創業者の梁衍学氏は、日本の大手ロボットメーカー、ファナックロボット研究所で10年間、産業用ロボット技術のR&Dと工業化に携わった経験のある専門家。同社はロボット工学、建築技術、自律ナビゲーション、ビジョン、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)など中国内外の有名な大学出身者で構成している。
建設用ロボットの場合、現場の床面や壁は不均一であり、無人搬送車(AGV)による自律移動は困難で、建設精度や基準を満たすことが課題だ。蔚建科技はセンサーを使用してロボットの姿勢を自動的に検知、複雑な壁の場合、3次元(3D)ビジョン技術を用いて適応調整能力を強化した。同社のロボット製品は現在までに数万平方メートルの塗装実績を持つ。多くの建設現場で検証された作業効率は手動作業効率の5~6倍で、実験室環境での作業効率は労働作業の10倍に達するという。塗装ロボットは22年第2四半期(4~6月)までに製品化する予定で、鉄筋ロボットも現在開発を加速している。
中国国家統計局によると、20年の建設産業の総生産額は26兆元で、24年には34兆元に達する見込み。建設労働者の数は減少の一途で、現在の5,400万人から、将来的には100万人までに減少し、建設現場でのロボット導入が加速するとみられている。