重慶市、スマートコネクテッドEV部品産業強化へ
中国の重要な自動車生産拠点である重慶市はこのほど、「スマートコネクテッド電気自動車(EV)」向け部品のサプライチェーンをレベルアップさせるためのアクションプラン(2023~27年)を提案し、広く一般から意見を募るパブリック・コメントを開始した。
スマートコネクテッドEVは、スマート+ネットワーク化で高度な自動運転を実現するEVを指す。重慶市は同プランにおいて、車載電池システム、スマートシャシーシステム、スマートコネクティングシステム、電子部品、車載ソフトウエア、軽量化部品、熱管理システムの7分野を重点に、完成車メーカーと部品企業の提携を促し、関連部品産業の構造転換・レベルアップを急ぐ方針を打ち出した。
2027年までに、スマートコネクテッドEV用部品をめぐる重点コア技術と製品を基本的に「自主制御可能」な状態にし、川上から川下までが協力し、互いに利を得られる、中国をリードする産業クラスターを計画的に築き上げるとの青写真を示した。同年までに関連企業800社を新たに誘致し、スマートコネクテッドEV用部品産業の売上高を7,000億元に到達させる数値目標を掲げた。
重慶市には、スマートコネクテッドEVメーカー20社、関連部品企業1,000社が集結し、自動車とスマートエネルギー、スマート交通、スマートシティが深く融合することによって生まれるシナジー効果を十分に発揮できる環境が整っている。今年上半期のスマートコネクテッドEV生産台数は前年同期比9.6%増加し、生産額は33.8%増えた。
2030年までにCO2排出量をピークアウトさせ、60年までに実質ゼロにする「双碳」目標を掲げる中国では、EVに代表される新エネルギー車市場が急速に拡大している。加えて、自動車のスマート化がグローバルに進んでおり、スマートコネクテッドEV市場はいままさに発展のさなかにある。中国のスマートコネクテッドEV普及率は2025年に40%に到達し、30年にはガソリン車を超えて自動車消費の主流になるとの予測もある。