中国製造業の「信頼性」を世界トップレベルに、工業部などが目標
工業情報化部、科学技術部、財政部など中国政府5部門は6月30日、「製造業の信頼性向上に関する実施意見」を発表した。機械、電子、自動車の重点産業の製品の信頼性向上に注力し、2030年までに半導体など10種類の重点コア製品の信頼性レベルを世界トップレベルにする目標などを掲げた。
同実施意見によると、2025 年までの目標では、(1)中国は共通信頼性技術の研究開発(R&D)サービスプラットフォームを 3つ以上構築、(2)信頼性向上の典型的な実証を 100 件以上、(3)信頼性向上を実施する企業を 1,000 社以上ーー推進する。さらに 30年までの目標では、10種類の重点コア製品の信頼性レベルを世界先進レベルに引き上げる目標を掲げた。
今回の実施意見では、機械、電子、自動車産業に焦点を当てている。これら各産業の基礎製品の信頼性を高める「基礎構築プロジェクト」と、完全な機械・設備・システムの信頼性を高める「倍増プロジェクト」それぞれの実施計画を示した。
「基礎構築プロジェクト」では、それぞれ産業ごとに焦点分野を定めた。(1)機械産業では、産業機械、農業機械、建設機械、産業用ロボット、計器類、その他の主要な特殊基礎部品に焦点を当てる。(2)電子産業では、SoC(システムオンチップ)/MCU(車載制御装置)/GPU(画像処理半導体)やその他のハイエンド汎用チップ、GaN(窒化ガリウム)/SiC(炭化ケイ素)を搭載した電子機器のアップグレードに焦点を当てる。 (3)自動車産業は、高精度カメラ、高性能センサー「LiDAR」、基本演算プラットフォームなど自動運転システム、車載用チップの信頼性向上を図る。
「倍増プロジェクト」では、(1)機械産業はレーザー溶接・切断装置などの産業機械、大型ハイエンドインテリジェント農業機械、産業用ロボットなどの製品の信頼性レベル向上に注力する。(2)電子産業は、ドローン、VR/AR(仮想現実/拡張現実)機器、サービスロボットなど、(3)自動車業界はデジタル試験場に基づく車両全体と主要部品の信頼性試験・評価技術を構築し、新エネルギー車(NEV)向けソフトウェアの機能性能、機能安全性、情報安全性などの総合能力を持続的に向上させることに注力する。
また、製品の需要分析、設計・開発、製造、検査・試験、保守・保証の全過程でデジタル技術の応用を促進し、第5世代移動通信システム(5G)、ビッグデータ、人工知能(AI)、産業インターネットなどの新世代情報技術と信頼性エンジニアリングの深い融合を推進する。また生産・製造設備のデジタル化を推進し、センシングやマシンビジョン、自動化制御、高度計測などの技術の応用を推進し、生産効率を向上させ、品質変動などを低減するとしている。
工业和信息化部等五部门关于印发《制造业可靠性提升实施意见》的通知