中国、EUV露光装置を開発中か 華為の余承東氏が明らかにした半導体の「二つの突破口」

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)の余承東氏は6日、EUV(極端紫外線)リソグラフィー(露光)装置が先端半導体の製造に不可欠な設備であり、中国は現在、その開発を進めていると明らかにした。一方、現段階では、中国国内の半導体産業は主にDUV(深紫外線)露光技術に依存しているという。
余氏のこの発言は、同日に海外メディアとの交流会の概要を公表した際にあった。
中国の半導体産業が二つの技術ルートを進めていることを示しているとされる。一つは先端製造装置の開発を進めること、もう一つはチップアーキテクチャーやシステム面の革新によって、先端プロセスの制約を補うことだ。
半導体製造は、爪の先ほどのシリコンウエハー上に、極めて複雑な微細回路を描く工程に例えられる。露光装置は、光を使って回路パターンをウエハーに転写する、非常に高精度なカメラのような役割を果たす。回路が微細になるほど、露光技術にはより高い精度が求められる。現在、先端DUV露光装置で使われる光の波長は193ナノメートル(nm)であるのに対し、EUV露光装置では13.5ナノメートルとなっており、波長は14分の1以下に短縮されている。
もっとも、実際の露光精度は光学システムや製造工程などにも左右され、波長だけで決まらない。EUVの難しさは、光の波長を短くすることだけではない。EUV光を発生させるには、高出力レーザーを高速で移動する微小なスズ液滴に照射し、プラズマを発生させる必要がある。一方、EUV光は物質に吸収されやすいため、装置は高真空環境で稼働させなければならない。光を伝えるためには、精密な反射鏡も必要となる。
光源、反射鏡、ウエハーの位置決め、フォトレジスト、工程制御に至るまで、すべての要素で極めて高い精度が求められる。EUV露光装置の開発は、単に一台の装置を製造することではなく、高度に複雑な産業基盤全体を構築することを意味する。
では、EUVが実用化されていない現段階で、中国の半導体製造はどのように対応するのか。一つは、DUV(深紫外線)技術を使い続けることだ。多重パターニングなど複雑な工程を組み合わせれば、DUVでも一部の先端プロセス半導体を製造できる。ただし、製造工程が増えるため、コストや工程の複雑さが増し、歩留まりの管理も難しくなる。
ファーウェイが模索しているもう一つの方法が、LogicFolding、いわゆる「ロジック・フォールディング」技術だ。従来、半導体の性能向上は、トランジスターを小型化し、同じ面積により多くの回路を配置することに大きく依存してきた。
これに対し、ロジック・フォールディングは、チップ内部の空間構成そのものを変える。回路を立体的に配置し、相互接続を最適化することで、回路密度とデータ伝送効率を高める考え方だ。
チップを都市に例えるなら、先端プロセスは建物を小型化して、同じ面積により多くの建物を配置する方法にあたる。ロジック・フォールディングは、立体的な都市計画と道路の短縮によって、都市全体の効率を高める方法といえる。
ただし、この方式にも代償がある。より多くのウエハーや複雑な製造工程が必要になる可能性があり、先端プロセスの利点を完全に置き換えることはできない。
余氏はまた、スマートフォンのメインプロセッサーには先端プロセスが必要だが、端末内部に搭載されるその他の多くの部品には、同じ水準の微細化は求められないと強調した。これは、スマートフォンの性能が一つのチップのプロセスルールだけで決まるわけではないことを意味する。OS、ソフトウエアによる制御、メモリー管理、放熱技術、各チップ間の連携も、実際の利用体験に直接影響する。ファーウェイは、ハードウエアに制約がある状況でも、システム全体の効率を最大限に高める考えだ。
一方で中国国内ではEUV露光装置の研究開発を継続する必要がある。
長期的には、EUVは先端半導体の製造能力とサプライチェーンの自立性に関わる。一方、短期的には、アーキテクチャーの革新、先端パッケージング、ハードウエアとソフトウエアの協調によって、既存技術の活用余地を広げることができる。
将来、中国製EUV露光装置が実用化されることだけでなく、設計、材料、装置、製造工程に至る一貫した技術力を段階的に構築できるかどうかが注目される。




