豪威集団、25年に初めてサムスンを抜き世界2位に
車載CISが最大のけん引役

複数の調査会社が発表した最新データによると、中国のCMOSイメージセンサー(CIS)大手、豪威集成電路(集団)(OmniVision、浙江省嘉興市)は2025年の世界市場シェアで韓国サムスンを初めて上回り、世界2位のCISサプライヤーに浮上した。首位は引き続き日本のソニーが占めている。豪威集成がサムスンを追い抜いた最大の原動力は、競争が最も激しいスマートフォン向けメインカメラではなく、高度運転支援(ADAS)の普及を追い風とする車載CIS事業の急成長だ。
日本の調査会社テクノ・システム・リサーチ(TSR)の調査によると、2025年の世界CIS市場は約230億ドル(約3兆5880億円)と、前年比11.2%拡大した。2026年は前年比横ばいとなる見通しだ。
3兆円を超える規模に成長したCIS市場で、豪威集団の2025年のCIS売上高は約30億ドル)に達し、市場シェアは13%となった。これにより、初めてサムスンを抜いて世界2位に浮上した。
日経BPが発行した「Nikkei Industry Map 2027」でも、ほぼ同様の結果が示されている。同報告書によると、豪威集団の世界シェアは13.4%で2位。ソニーは53.6%と圧倒的なシェアを維持し、首位を堅持した。一方、サムスンは13.2%で3位に後退した。
さらに注目されるのは、世界CIS上位5社のうち中国企業が3社を占めていることだ。豪威集団、思特威、格科微の3社を合わせた市場シェアは約23%に達し、世界市場の4分の1近くを占めている。
車載CISが成長の最大の原動力に
豪威集団がサムスンを追い抜く原動力となったのは、スマートフォン向けメインカメラ市場ではなく、高度運転支援システムの普及を背景とした車載CIS事業の急成長だ。
光鑫CIS今日の分析によると、豪威集団の2025年の車載CIS売上高は74億7100万元(約1740億7000万円)と、前年比26.52%増加した。世界の車載CIS市場におけるシェアは30%を超え、世界首位を維持している。
特に注目されるのが、800万画素を超える高性能ADAS(先進運転支援システム)向けCISという高付加価値分野だ。同分野で豪威集団は世界シェア43%を獲得しており、高い技術力と市場開拓力を示している。
世界の自動車産業が知能化・電動化への移行を加速させるなか、高度運転支援システムでは、車載カメラの搭載数と性能の双方に対する要求が高まっている。周辺監視から前方監視、駐車・走行支援一体型システム、都市部でのNOA(Navigation on Autopilot)まで、車載CISはスマートフォンに続くCIS業界の有望な成長分野となりつつある。
豪威集団は車載分野への先行投資と技術蓄積を生かし、この産業成長の波を捉えた。これが売上高と市場シェアの双方を大きく押し上げる結果につながった。
スマホ向けでも高級機市場に食い込む
車載事業が急拡大する一方、豪威集団はスマートフォン向けCIS市場でも成長している。近年では、OPPOや小米(シャオミ)、Honor(栄耀)など中国スマートフォンメーカーのフラッグシップモデルで、メインカメラ向けCISのサプライチェーンに採用されるようになった。これにより、高級スマートフォンのメインカメラ市場を長年支配してきたソニーとサムスンによる寡占構造に風穴を開け、「スマホ+自動車」の2本柱による事業構造を築きつつある。
この進展の意義は、単なる売上高への寄与にとどまらない。ブランドの高級化を進めるうえでも重要な意味を持つ。
スマートフォンのメインカメラは、CIS業界の中でも技術的な参入障壁が高く、製品付加価値も大きい分野の一つだ。フラッグシップモデルのサプライチェーンに参入したことは、画素技術や低照度性能、HDR(ハイダイナミックレンジ)処理などの中核技術で、豪威集団が国際大手と正面から競争できる水準に達したことを示している。
韓国勢の戦略転換も追い風に
豪威集団の台頭は、海外競合企業が戦略を見直す時期とも重なった。業界分析によると、韓国の半導体大手は最近、事業の重点分野を相次いで転換している。サムスンは、より高い収益性が期待されるHBM(広帯域メモリ)分野に経営資源や生産能力を振り向けているほか、SKハイニックスもCIS事業を縮小しているという。
こうした戦略転換によって数十億ドル規模の市場余地が生まれ、豪威集団をはじめとする中国メーカーが、その受け皿となりつつある。中国勢は、国内サプライチェーンとの連携力や迅速な顧客対応力、コスト競争力を強みに市場シェアを伸ばしている。
ソニーとの距離はなお大きく
もっとも、豪威集団が2025年にサムスンを抜いたとはいえ、CIS市場ではソニーが50%を超えるシェアを握り、依然として圧倒的な首位に立っている。
中国メーカーがさらなるシェア拡大を目指すには、なお2つの大きな壁を乗り越える必要がある。1つは、高性能な画素ウエハー(Pixel Wafer)に関する製造プロセスの技術障壁。もう1つは、高性能半導体向けのファウンドリー(受託生産)能力の制約だ。




