サムスン、横浜にAI半導体の先端パッケージ研究拠点を開所

韓国サムスン電子は8日、横浜市でAI半導体の先端パッケージング技術を研究する新たな拠点「Samsung Advanced Packaging Lab(サムスン先端パッケージング研究所)」をを設立した。日本の半導体関連企業との連携を深め、AI半導体に欠かせない後工程技術の開発を加速する狙いだ。
総投資額は400億円(約2億5700万ドル)。このうち225億円を日本政府が支援する。施設の敷地面積は約6600平方メートルで、半導体の先端後工程を中心に研究開発を進める。
サムスンが日本に研究開発拠点を設ける背景には、日本企業が半導体の後工程に必要な材料や装置などで高い技術力を持つことがある。AI向けデータセンターでは、HBM(高帯域幅メモリ)の需要が急速に拡大している。HBMは複数のメモリーチップを積層して高いデータ転送性能を実現する半導体で、AIアクセラレーターやGPUと組み合わせて利用される。
AI半導体の性能向上に伴い、HBMと演算を担うGPUなど、複数の半導体を一つのパッケージ内で効率よく接続する技術の重要性が高まっている。こうした背景から、半導体メーカー各社は、チップレットや3次元積層などを含む先端パッケージング技術の開発を急いでいる。
サムスンによると、HBMの製造に必要な主要材料のほぼ全てで日本企業が供給網の一翼を担っている。例えば、住友ベークライトは半導体パッケージ材料の世界市場で約40%のシェアを持つとされる。また、レゾナック・ホールディングスや三菱ガス化学も、半導体パッケージに使用される基板材料などの分野で高い競争力を持つ。
AI半導体の高性能化では、先端ロジック半導体だけでなく、HBMやパッケージ基板、封止材料など、後工程を構成する部材全体の性能が重要になっている。サムスンは横浜の研究拠点を通じて、こうした日本企業との共同研究・技術開発を強化する考えだ。
これまでは、日本の材料メーカーが開発した新材料を韓国へ輸送して評価するケースがあり、承認手続きや輸出入関連の手続きによって、材料が韓国側に到着するまで最大2カ月程度かかることもあったという。AI半導体の技術開発サイクルが急速に短くなるなか、こうした物流・手続き上の時間は製品開発のスピードを左右する要因となる。




