広東省、半導体分野で重大プロジェクト加速へ
華潤微・方正微・粤芯・増芯などの建設と生産能力強化を推進

広東省が、半導体産業の発展に力を入れる。同省はこのほど、「デジタル広東建設2025年重点作業要点に関する通知」を発表し、半導体およびIC(集積回路)産業の発展を明確に打ち出した。半導体メーカーの華潤微、方正微、粤芯、増芯などの主要プロジェクトの建設と生産能力の拡大を加速する。
広東省政務服務和数据管理局はこのほど、「デジタル広東建設2025年重点作業要点に関する通知」を発表し、半導体およびIC(集積回路)産業の発展方針を明らかにした。
この中で、中国半導体製造の大手IDM(垂直統合型デバイスメーカー)企業である華潤微電子(江蘇省無錫市)、深セン方正微電子(広東省深セン市)、アナログ半導体の受託生産を手がける粤芯半導体技術(CanSemi、広州市)、IC(集積回路)設計・製造の広州増芯科技(広州市)などの主要プロジェクトの建設を加速する。広東省は、国家レベルの半導体戦略の中核を担う地域として、これらの重大プロジェクトを通じて、国内の半導体サプライチェーンの自立強化と競争力向上を図る構えだ。
作業要点では、IC製造や先端パッケージ・テスト工程などの弱点補完、材料および装置産業の発展、さらに光チップ産業のイノベーションプラットフォームの構築を図る方針が示された。
また、次世代電子情報産業の発展にも重点が置かれており、AI(人工知能)スマートフォンやAI PCといった新興分野での技術研究開発(R&D)支援や、北斗衛星システムや仮想現実(VR)関連分野の育成、主要電子機器企業への継続的支援と「サプライチェーンリーダー企業」の育成、次世代電子情報特化型産業園区の整備が進めるとした。
広東省で現在、進行中または完了した代表的なプロジェクト
- 華潤微電子
深セン市宝安区における12インチIC生産ラインは、2022年10月に着工され、24年12月31日に正式通線。総投資額は220億元(約4400億円)に達し、40ナノメートル(nm)以上のアナログ特化プロセスに注力。年産48万枚の12インチパワー半導体を生産予定。主な用途は自動車電子、新エネルギー、産業制御、民生電子など。 - 方正微電子
「第三世代半導体産業化拠点建設プロジェクト」として22年から24年にかけて実施。生産ラインと関連施設を建設し、総投資額は115億4000万元を見込む。 - 粤芯半導体
24年12月29日に第3期プロジェクトが正式通線。総投資額は162億5000万元、180nm~90nmのプロセス技術を採用し、月間4万枚の生産能力を追加。最終的に月産8万枚の高性能アナログIC製造能力を目指す。なお、第1期は19年9月に生産開始、20年にはフル稼働を達成。第2期も22年上半期に稼働済み。 - 増芯科技
広州市増城経済技術開発区で24年6月28日に12インチMEMSスマートセンサー製造ラインが正式稼働。中国初、世界で2番目となる12インチMEMSラインであり、第1期では130~55nmの成熟プロセスを用いたMEMS力学センサー技術を採用。25年末には月産2万枚の能力に到達予定。主に電力電子、車載電子向けのパワー半導体、信号処理、電源管理、マイコン、イメージセンサーなどに応用される。