米NVIDIA、中国市場向けに新AIチップを投入へ

米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が、中国市場向けに最新のBlackwellアーキテクチャを採用したAI(人工知能)チップを投入する計画であることが明らかになった。これは、同社が米国の輸出規制に準拠しながら中国市場への供給を維持するための新たな戦略とみられる。新チップは最速で6月にも量産を開始する見込みだ。

25日付のシンガポールの聯合早報が米ロイターの報道を引用するなどして伝えたもので、新チップの価格は6500〜8000米ドルとされており、先行して発売された「H20」の価格よりも大幅に安く設定されている。価格が低いことから、このチップはスペックが抑えられ、製造プロセスも簡略化されているとみられる。

今回のBlackwellアーキテクチャ採用製品は、NVIDIAにとって中国市場向けとしては3度目の「ダウングレード版」チップの投入となる。米国政府は最近、Hopperアーキテクチャを採用したH20チップを中国へ輸出することを禁止しており、この対応の一環として新製品の開発が進められてきた。

事情に詳しい関係者によれば、NVIDIAは当初、H20のさらなる改良版を中国向けに検討していたが、Jen-Hsun Huang(ジェンスン・ファン)最高経営責任者(CEO)は、「H20に使用されているHopperアーキテクチャは、現在の米国の輸出制限の下では、これ以上の修正は困難である」と述べたという。

新チップの投入により、NVIDIAは引き続き中国市場でのプレゼンスを維持しつつ、米国の厳格な輸出規制に対応する方針を強化することになる。

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