米エヌビディアのファンCEO、トランプ氏に進言「AIチップ輸出規制は見直すべき」

米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)のJen-Hsun Huang(ジェンスン・ファン)最高経営責任者(CEO)が4月30日(現地時間)、米ワシントンで開催されたフォーラム「Hill & Valley Forum」に出席し、トランプ大統領に対しAI(人工知能)チップの輸出規制を見直すよう提言した。
米ブルームバーグによると、ファン氏は同フォーラムで「世界は根本的に変化しており、中国はAI分野で決して遅れていない」と強調。また「米国のAI技術を世界に迅速に広めるためには、政府の政策と支援が不可欠だ」とも述べ、現行の輸出規制が技術発展の妨げになっていると示唆した。
エヌビディアはAIチップ市場で世界の先頭を走る企業の一つだが、バイデン政権は2022年以降、中国への先端半導体の輸出を段階的に制限。今年4月には、エヌビディアが中国市場向けに特別設計した「H20チップ」の販売も停止された。
こうした中でファン氏は、「次なる輸出規制の内容は不明だが、現在の政策はもはや時代遅れ」だと主張。中国は「強力な演算力、ネットワーク技術、優れたソフトウェア開発力を有し、ここ数年でAI分野で目覚ましい進歩を遂げている」と述べ、「中国は我々に非常に近づいている」と警鐘を鳴らした。