小米EVの衝突炎上で大学生3人死亡、メーカーの責任問う声も

中国のスマートフォンメーカー、小米(シャオミ)が生産する電気自動車(EV)「小米SU7」が3月29日夜、安徽省の高速道路でガードレールに衝突して車のフロント部分が激しく損傷して炎上し、乗っていた若い女性3人が死亡した。自動運転補助システムを直前まで使用していたとされ、メーカー側の責任を問う声も出ている。

小米の4月1日の説明会で、犠牲となった方々に哀悼の意を示すともに、「深くおわびする」と謝罪した。小米の株価は前日午後から急落し、4月2日は終日5%以上下落した。

同社の説明によると、事故前、車両は「NOA(ナビゲート・オン・オートパイロット)」と呼ばれる自動運転補助システムによる運転状態で、時速116キロで走行していた。高速道路は一部区間が補修工事のため閉鎖されていたため、逆走車線に迂回。だが車両は障害物を検知して警報を発し、減速を開始した。その後、ドライバーが車両を引き継いで人による運転状態となり、減速と操舵を続けた後、車両はバリケードのコンクリート壁に衝突した。衝突前にシステムで確認できた最終速度は約97km/hだったという。

同社は特別チームを設置し、翌30日に現場に赴き、捜査、証拠収集などの作業に積極的に協力。31日夜、法律に従い、車両の走行データとシステム操作情報を警察に提出した。同時に事故の犠牲者のご遺族と連絡を取り、事件後の対応について全面的な支援と援助を行うとしている。

事故当時の状況

小米の特別チームが警察に提出した情報の概要は以下。

3月29日 22:27:17 NOA作動、車速は116km/h

3月29日 22:28:17 軽度の脇見による警告

3月29日 22:36:48 NOA発令 ハンズオフ警告「ハンドルに手を置いてください」

3月29日 22:44:24 NOAが危険警告「前方の障害物に注意してください」を発し、減速要請を出し、減速開始

3月29日 22:44:25 NOAからドライバーによる運転状態に入り、ハンドルは22.0625度で左に切り、ブレーキペダルの開度は31%。

3月29日 22:44:26 ステアリングは1.0625度で右に切り、ブレーキペダルは38%開いた。

3月29日 22:44:26 コンクリート製ガードレールに衝突

遺族から疑問の声

小米が発表したこれらの情報に対して、遺族からは疑問の声が上がっている。

被害者の一人の母親は記者団に対し、「娘はスマートドライバーで運転していた。あの時の状況で、誰がたった2秒間でこの状態に対応できるのか」と非難した。

CATL「我々の電池ではない」

中国車載電池大手の寧徳時代(CATL)は2日、「当社の電池ではない」と答えた。

2日付上観によると、沃達福数字汽車国際合作研究中心の専門家は「米Tesla(テスラ)が自動運転機能を開始した2016年以降、国内外(米国を含む)の高速道路で典型的な事例が相次いでおり、この種の事故の責任判断には複雑さがある」と指摘する。

まず、交通事故そのものは普遍的なもの(燃料車でも起こる)だが、論争の焦点は、EVユーザーが高い頻度で使用しているNOA機能だ。同機能は、ハンドルの自動操舵などの技術を通じて、長時間の高速走行でドライバーを過度に依存させやすい。

理論的には、ドライバーは事故回避のために時間内に交代すればよいものの、実際には2つの重要な問題があると指摘。第1に、車両制御システムはもはや完全な手動操作ではない。従来の車両は、ドライバーがアクセル/ブレーキを直接操作するのに対し、スマートカーの操作は多くの場合、事前制御装置(または意思決定システム)によって計算された指示を実行する必要がある。第2に、技術の未熟さがある。ソフトウエアシステムは極めて複雑で、潜在的なリスクをはらんでいるとした。

Tags: , , , , , , , , , ,

関連記事