自動運転トラックの図森未来、生成AI分野へ参入発表

(図森未来のリリースより)

自動運転トラックを開発する中国のスタートアップ、図森未来(TuSimple、北京市)は15日、アニメーション会社の上海三体動漫(上海市)と提携し、中国の小説家・劉慈欣氏の人気SF小説「三体」シリーズを原作とする長編アニメーション映画とビデオゲームを生成AI(人工知能)などを活用して共同制作すると発表した。

図森未来の発表によると、同社の新しい生成AI事業部門の正式設立を意味する。2022年初頭から自動運転トラック分野における大型言語モデル(LLM)技術と生成AIアプリケーションの研究開発(R&D)を手掛けてきた。同社が独自に開発したビッグデータ管理システムは、生成AI技術を新分野に応用するための基盤となっているという。

図森未来は今年1月に上場廃止を発表して以来、事業について発表するのは今回が初めて。界面新聞は、図森未来がグローバルAIテクノロジー企業へとポジショニングを切り替えたと指摘している。図森未来の呂程社長兼最高経営責任者(CEO)は「トラック運輸業界から撤退する計画はなく、技術協力やライセンス供与を通じて自動運転技術の商業化を推進していく」と述べた。

図森未来は2015年の設立。自動運転トラック運送会社を最初に設立した企業のひとつ。21年4月、米ナスダック市場に上場し、世界初の自動運転銘柄となった。しかし、上場から数年後、規制当局の審査や頻繁な経営陣の交代、レイオフや組織再編などで組織運営が混乱。今年1月には上場を廃止し、米国証券取引委員会への登録を抹消したと発表していた。

昨年5月には米国事業を売却し、中国へ事業を移管して開発の重点をアジア太平洋地域に移すと発表した。日本市場にも参入し、昨年10月には東名高速道路での自動運転トラックの走行テストを実施している。

またビジネスモデルを当初のシングルL4(特定の条件下で完全自動運転)からL4とL2(部分運転自動化)のデュアルパラレルに変更している。ただ既に多くの国内の自動運転企業は開発を加速させ、商品化を進めており、国内市場で後発となる図森未来に優位性はないとされている。

图森未来正式宣布进入生成式AI应用领域

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