トヨタが水素貯蔵モジュールを公開、FCVへの搭載想定
トヨタ自動車は16~18日に東京ビッグサイトで開催された「第18回FC EXPO(水素・燃料電池展)」に出展し、水素貯蔵モジュールのコンセプトモデルを公開した。複数の樹脂高圧水素タンクをパッケージング可能で、充填圧力は70MPaとなる。
発表資料によると、モジュール状態で水素を貯蔵し、水素の残量や使用量、安全状態、異常などを検知する。ユーザーは必要な水素貯蔵量に応じて、モジュールの組み合わせが可能だ。今後検証作業を進め、水素を活用した電源供給システムでの応用につなげる考え。
現在、圧力70MPaの水素タンクはすでに量産されているが、トヨタが販売先として想定している鉄道、船舶、港湾などの業界は、使用にあたって異なる安全基準が定められていることから、今後、さまざまな環境下での認証試験の実施が必要となる。
同モジュールの量産化が実現すれば、水素電気自動車(FCV)での利用を想定した場合、使用環境に応じて、モジュール搭載数を任意に調整できるようになることを意味する。
実際、トヨタが今回打ち出したコンセプトは、車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が先ごろ発表した電気自動車(EV)用バッテリー交換システム「チョコ―SEB」(チョコレートバーのような形の交換可能な電気ブロック)のコンセプトと類似している。水素と電気の違いはあるものの、搭載モジュールの増減によって、航続距離を調整できるといった共通点がある。