中国半導体企業のIPO中止相次ぐ、23年は26社

ブームを巻き起こした中国半導体企業の新規株式公開(IPO)に異変がみられている。証券当局がIPOの段階的制限を開始した半年ほど前から、半導体企業のIPOは大きく失速。上場計画の撤回が相次いでいる。

上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」と深センの新興企業向け市場「創業板」では2023年以降、半導体企業による上場計画の撤回が26件あった。さら昨年にIPOを申請した半導体企業の多くが半年を超えて審査段階にとどまっていて、上場にゴーサインがでるかどうか不透明な状況にある。

中でも半導体企業のIPOが集中している科創板では、23年に半導体15社がIPOを中止し、その多くが企業が自ら計画を撤回した。うち4社は当局が上場規制を強化して以降に中止を決定した。

27日付第一財経によると、投資関係者は、「中国A株市場では2020年以降、100社を超える半導体企業が上場したが、現在審査中を含めてこれら企業の多くは、ロー・ミドルエンド市場で競争を繰り広げており、自主イノベーション力や革新的な競争力に欠ける。半導体不況を背景に、業績は大幅に悪化しており、規制当局は今後、半導体企業の上場規制を強化していくだろう」と述べた。

規制当局が注視しているのは、企業がコア技術や知的財産権、先進的な技術を保有しているかどうかや、株式構造や継続的な収益能力の有無など。計画を撤回した企業には、不正を摘発されたり、当局の立ち入り検査や現場指導を受けたりした事例がみられた。

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