「2ナノ半導体」量産競争幕開け、TSMC・サムスン・ラピダス始動

半導体ファウンドリー業界で、次世代先端工程の「線幅2ナノメートル」プロセスを用いた最先端半導体の量産競争が幕開けした。2ナノ半導体は世界でもまだ量産の成功例はないが、台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン電子、Rapidus(ラピダス)が2ナノに対応した先端製造設備の確保に動き出している。

TSMCは12日、英インテルの子会社で、マルチビームマスクライターを手掛けるIMS Nanofabricationの株式10%を最大4億3,280万米ドル(約646億3,868万円)で取得すると発表した。業界専門家は同出資について、2ナノ半導体商用化に対する需給を満たす目的があるとの見方を示した。

サムスン電子は先ごろ、オランダの半導体製造装置大手、ASMLの株式3%を取得し、2社の提携関係を強化した。資料によると、サムスンは次世代の高NA EUVのプロトタイプを2023年内に導入し、来年に商用利用する計画とされる。EUVは、7ナノ以下の最先端半導体チップの製造に必要で、ASMLは世界で唯一EUVを製造できる。

ラピダスもASMLの支援を受けることが極めて重要なポイントとなる。ASMLは、2024年に北海道に生産技術の支援を行う拠点を設ける計画。約50人の技術者を派遣して、ラビダスが建設予定の2ナノ半導体工場の試験ラインにEUVを提供。機器の保守や検査といった技術的な支援を提供する。

2ナノ半導体の各社の進展状況をみると、TSMCは、2025年の量産に向けて専門チームを立ち上げたと9月に報じられた。

サムスンは6月に2ナノ工程のロードマップを発表し、25年にモバイル向けの量産を開始し、26年にハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、27年に車載向けへと適用工程を拡大する計画を明らかにした。

ラピダスは2ナノ半導体を25年に試作し、27年から量産する計画を立てている。

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