米アップル、業界初3ナノチップ「A17 Pro」発表

iPhone 15 Proに搭載

アップルの3nmチップ「A17 Pro」(同社リリースより)

米アップルは12日(現地時間)、業界初の3ナノメートル(nm)プロセッサ「A17 Pro」を発表した。アップルの最新スマートフォンシリーズ「iPhone 15」のProモデル「iPhone 15 Pro」に搭載する。

A17 Proは、業界で初めて半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の3nmプロセスを採用して製造され、190億個のトランジスタを搭載し、チップの設計にも改良を加えた。CPU(中央演算処理装置)は2つの高性能コアと4つの高効率コアを組み合わせる6コア構成で、高性能コアは全モデル比10%高速化され、高効率コアは競合製品と比べて消費電力あたりのパフォーマンスが3倍優れる。

前世代のプロセッサ「A16」はTSMCの4nmプロセスで製造され、トランジスタ搭載数は160億だった。

GPU(画像処理装置)はこれまでで最も大きな更新が行われ、新たに6コア設計を採用。パフォーマンスと効率の改善が行われたほか、複雑なアプリケーションの実行、新たなレンダリング機能が備わる。ピーク時パフォーマンスは最大20%高速化された。

アップルが12日に世界同時発表した最新スマホ「iPhone 15」(同社リリースより)

さらにハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシング(光線追跡法)を初搭載。スマホ史上最速のレイトレーシング処理速度を実現した。これにより、これまではパソコン上でしか体験できなかった、非常に綺麗な光の演出する機能をスマホに搭載させることに成功した。

16コアのニューラルエンジンは、1秒間に最大35兆回の演算処理が可能で、機械学習モデルの速度を最大2倍に引き上げた。

新しいUSB-Cコネクタは、iPhone史上初めてUSB 3をサポートし、ベーシックモデルの「iPhone 15」に採用されたUSB 2よりも最大20倍速い伝送速度を実現した。

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