中国で過熱するLLM開発競争、教育分野に波及
生成系人工知能(AI)ブームをきっかけに過熱する大規模言語モデル(LLM)の技術開発競争は、中国では教育分野にも波及している。LLM分野に投資する企業の中には、多くの教育系企業がみられるようになった。異業種企業の間でも、教育分野をLLM活用の重要分野とみなす傾向が顕著だ。
教育系企業では、ネット教育大手の好未来教育集団(TAL)がこのほどSNSの公式アカウントを通じて、数学の問題を解いたり、作成したりするLLM「MathGPT」の開発を進めていると発表した。ネット大手「網易」傘下でオンライン教育事業を手掛ける「有道(youdao)」も、LLM「子曰」に基づいて開発した「AI口語先生」を発表した。
異業種企業では、中国の音声認識最大手、科大訊飛(アイフライテック)がLLM「SparkDesk(星火認知)」を公開し、教育、事務、自動車、デジタルレイバーの4分野での応用の成果を発表した。
アイフライテックは長期にわたり技術開発投資を行うと同時に、AI技術の商用化を実現できる分野を探索してきており、教育はその重点分野の一つとみなしてきた。星火認知を搭載した同社のAIラーニングマシン「T20シリーズ」は、中国語と英語の作文の添削やフィードバックを行うほか、作文を書く手順などを提案。LLMの応用を加速させると期待されている。