中国の両会代表らも「AI」に注目、30年の産業規模1兆元へ

3月に開幕した中国の全国両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議全国委員会会議)は、チャットボットに代表される人工知能(AI)技術が、参加した全国代表らのホットなテーマの一つとなっている。

科学技術部の王志剛部長は、第1回会議の「部長通路(部長取材エリア)」で、「AIの影響力はテクノロジー分野にとどまらず、その他の分野の活用にまで及ぶ。AIが中国の経済・社会の発展に貢献することを望むとともに、AIの研究、応用に携わる大学や研究機関、企業がAIの発展を推し進め、中国の国際貢献を生み出すことを希望する」と言及した。

サイバーセキュリティ製品を手掛ける奇安信科技集団の斉向東董事長(全国政協委員)は、「AIは将来的に、水、電気、ガスのように、デジタル社会、デジタル経済のインフラとなり、民衆の生活のあらゆるシーンに浸透する、いかなる業界であっても、活用シーン、計算力、蓄積されたデータがあれば、AIを活用できる」と述べた。

サイバーセキュリティ大手の「360集団」の創始者である周鴻禕氏(全国政協委員)は今年の政協で、チャットボットに代表されるAIビッグモデル技術の大きな飛躍が新たな産業革命を引き起こすと展望。大型テック企業と重点科学研究機関を組み合わせた産学研連携型イノベーションモデルを打ち立てて、中国版「マイクロソフト+OpenAI」を立ち上げて、AIビッグモデル技術のブレークスルーを達成するよう提案した。

8日付智能制造網によると、中国は近年、AIチップ、AIアルゴリズム、スマート端末とその活用といった分野で大きな技術進歩を遂げた。中国信息通信研究院によると、中国のAI中核産業規模は前年比18%増の5,080億元(約9兆9,679億円)に拡大したとみられる。中研普華産業研究院は、同規模が2025年に4,500億元、30年に1兆元を超えるとの予測を示した。

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