米商務長官「エヌビディアの対中『H200』はまだ一枚も売れていない」

米国上院歳出委員会の公聴会がで現地時間22日開かれ、対中半導体規制が議題の中心となった。米商務長官のHoward Lutnick(ハワード・ラトニック)氏は質疑に応じ、トランプ政権が対中技術移転において「微妙なバランス」を維持しようとしているにもかかわらず、中国はこれまでNVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)『H200』を一枚も購入していない」と明かした。中国側が投資の重点を国内産業の自主発展に置きたいためだという。
トランプ政権は1月13日、エヌビディアの対中H200 AIチップ輸出を正式に承認した。ただし米政府はエヌビディアにチップ販売収益の25%を「上納」することを求めるなど複数の前提条件を設けており、この規制緩和は対中強硬派の不満を招いていたた。
ラトニック氏は証言の中で「米国技術が中国の軍事発展を助ける」という懸念を払拭しようとしたが、トランプ大統領自身が中国への先進半導体販売に前向きであることから、複数の議員から疑問の声が上がった。
ラトニック氏は「トランプ大統領は中国との良好な関係を維持しており、米国は技術移転問題で微妙なバランスを取っているが、中国はこれまで先進チップを1枚も購入していない」と述べた。また「表現を明確にしておきたいが、米国はいかなる状況においても最先端チップを中国に売ることはない」と強調。さらに「中国側は投資を国内産業の発展に集中させたいのだ」と語った。
実際、2月末の時点ですでに、米政府がH200チップの対中輸出を解禁したにもかかわらず、2カ月経ってもエヌビディアは中国にH200チップを一枚も販売していないとの情報が伝わっていた。
デラウェア州の民主党上院議員クリス・クーンズ氏はルトニック氏を追及し、「本来入手できなかった高性能チップを中国に提供することは、単純なビジネス上の利益の問題ではない」と指摘。トランプ政権が1月に輸出を承認したH200チップの性能は、以前に承認されたH20チップの6倍であり、中国の同等製品を大幅に上回るとした上で「企業に販売したチップが絶対に中国軍に渡らないとどうして確信できるのか」と問い詰めた。
ラトニック氏は、エヌビディアの最新のアーキテクチャチップ「Blackwell」の対中輸出を厳格に禁じており、中国に対する技術的優位性を永続的に維持すると主張した。
エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)氏はかつて、トランプ大統領の意図は米国がリーダーシップを維持し、エヌビディアの最先端技術を活用できるようにすることだと述べた上で、「同時に、彼はわれわれがグローバルに競争し、市場を簡単に手放さないことも望んでいる」と語った。中国のAI(人工知能)チップ市場規模は最大500億ドル(約7兆9750億円)に達する可能性があり、時価総額4兆5,000億ドルのエヌビディアにとって無視できない収益源だと強調した。
分析筋は、トランプ政権が国家安全保障と経済外交の間のバランスを取ることがますます難しくなっており、計画中の5月の訪中を、双方が「敏感な」分野の対立を脇に置き、伝統的な貿易に焦点を当てる機会として位置づけようとしていると見ている。
米国通商代表グリア氏は下院歳入委員会で、訪中期間中に「貿易可能な分野、中国への輸出可能な品目、中国からの輸入可能な品目を探る積極的な議題を推進する」と述べ、「これらは非敏感品目であり、会談の核心的な焦点となる」と語った。




