韓国が警告、イラン危機で半導体製造の重要材料供給に影響の恐れ

韓国の与党議員キム・ヨンベ氏は5日、中東情勢の緊迫化により半導体製造に不可欠な材料の供給が乱れる可能性があると警告した。米国、イスラエル、イランを巡る軍事衝突が6日目に入り、半導体産業への波及リスクが高まっているという。
キム氏は、サムスン電子の幹部や業界団体の代表らとの会合後に記者団へ説明し、紛争の長期化がエネルギー価格の上昇を招き、半導体産業にも影響を与える可能性があると述べた。「中東から一部の重要材料を調達できなくなれば、半導体生産に影響が出る可能性がある」と韓国政府関係者の懸念を紹介した。
その例として挙げられたのがヘリウムだ。ヘリウムは半導体製造工程で装置の冷却に使われる重要なガスであり、現時点では実用的な代替手段が存在しないとされる。世界でも生産国は限られており、カタールは主要供給国の一つとなっている。
近年はAI(人工知能)データセンターの拡大により半導体需要が急増しており、スマートフォン、ノートパソコン、自動車など多くの産業でチップ供給が逼迫している。こうした状況の中で、中東情勢の不安定化が新たな供給リスクとして浮上している。
一方、半導体メーカー各社は影響は限定的との見方も示している。韓国のメモリ大手であるSKハイニックスは声明で、「長年にわたりヘリウムの供給源を多様化し、十分な在庫も確保している」とし、「現時点で大きな影響を受ける可能性は極めて低い」と説明した。
また、半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)も声明で、現段階では重大な影響は予想していないとし、状況を継続的に注視するとしている。さらに米半導体受託製造企業のGlobalFoundries(グローバルファンドリーズ)は、同地域のサプライヤーや顧客、パートナーと直接連絡を取り、影響を緩和するための計画を策定していると明らかにした。
韓国の産業通商資源部によると、韓国は半導体サプライチェーンにおいて、臭素やチップ検査装置などを含む14種類の材料で中東地域への依存度が高い。ただし、その多くは韓国内や他地域からも調達可能であり、代替調達ルートの確保を進めているという。



