サムスンがHBM4を30%値上げか、メモリ不足が深刻化 

韓国のメモリ大手の株価が急騰している。次世代AI(人工知能)向けメモリの価格交渉が進んでおり、従来世代より最大30%の値上げが見込まれていることが背景にあるという。

19日の取引で、サムスン電子の株価は一時5%超上昇し、19万900ウォン(約1万9090円)の過去最高値を記録。今年に入ってからの上昇率は約50%に達し、2025年から続く急騰基調を維持している。同日、メモリー関連銘柄に牽引される形で韓国株式市場も上昇。韓国の代表的株価指数であるKOSPI指数は取引時間中に5,681.65ポイントまで上昇し、終値でも3%超の上昇となった。

HBM4を最大30%値上げか

韓国の朝鮮日報によると、サムスン電子は次世代HBM(高帯域幅メモリ)「HBM4」の価格を約700ドル(約10万8318円)に設定する方針で、前世代のHBM3Eに比べて20~30%高い水準となる見通しだ。700ドルという価格設定はサムスンのHBM4に50~60%という高い営業利益率をもたらす可能性があるとみられている。

AI(人工知能)半導体競争の初期段階ではSKハイニックスに後れを取ったサムスンだが、足元では巻き返しを強めている。先週にはHBM4の量産開始と顧客向け出荷を発表した。

一方、SKハイニックスもHBM4の価格を引き上げる見通しとされる。昨年8月には、米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)向けに供給したHBM4の単価は約500ドルだったと報じられている。

AI特需で増産へ

AI需要の急拡大を背景に、サムスンとSKハイニックスの“半導体二強”は戦略を転換し、生産計画を前倒ししている。昨年末までは、過去の価格競争の教訓から生産能力拡張に慎重な姿勢を保っていた。しかし、メモリ市況の活況が続くなか、積極的な増産へとかじを切った。

報道によれば、SKハイニックスは龍仁の第1期ウエハー工場の試運転開始を27年5月から2~3月へと前倒しする計画だ。サムスン電子も平沢P4工場の稼働開始を来年第1四半期(1〜3月)から今年第4四半期(10〜12月)へと約3カ月前倒しする。

両社は新ラインで高性能DRAMやHBMなどの高付加価値製品を重点的に生産する方針だ。背景には、AIデータセンター建設の加速に伴う高性能DRAM需要の急増がある。

現在もメモリーチップの供給は需要に追いついていない。韓国のKB証券によると、2月時点で主要顧客への受注充足率は約60%にとどまり、AIデータセンター関連企業がサムスンのメモリー出荷の約70%を占めているという。

米シティグループの分析では、今年のDRAM供給は17.5%増、NAND型フラッシュメモリは16.5%増と予測される一方、需要はそれぞれ20.1%、21.4%増と、引き続き供給を上回る見通しだ。

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