韓国SKハイニックス、約2兆円投じ先端パッケージ工場を新設

韓国の半導体大手SKハイニックスは13日、AI(人工知能)関連分野で急増するメモリ需要に対応するため、韓国内に先端半導体パッケージ工場を建設すると発表した。投資額は19兆ウォン(約2兆円)に上り、AI時代を見据えた大規模な設備投資となる。
同社の発表によると、新工場は忠清北道清州市に建設する。今年4月に着工、2027年末の完成を目指す。SKハイニックスはすでに清州に複数の生産拠点を有しており、今回の投資によって同地域における先端後工程能力をさらに強化する。
SKハイニックスは、世界的にAI分野の競争が激化する中、AI向け専用メモリへの需要が急速に拡大していると指摘する。特に、HBM(高帯域幅メモリ)に対する市場ニーズが急増しており、これに積極的に対応する必要があるとしている。同社は、HBM市場が25年から30年にかけて年平均33%という高い成長率で拡大すると見込んでいる。
DRAMは現在、世界で最も広く利用されている揮発性メモリ半導体であり、電子機器の中核となる動作メモリとして、サーバー、スマートフォン、パソコンなど高速なデータ処理を必要とする幅広い分野で使われている。
一方、HBMは3次元(3D)積層技術を用いた高性能DRAMで、AI用途に不可欠な中核部品とされる。AI産業の急成長に伴い需要が急拡大しており、従来型DRAMと比べ、帯域幅、消費電力、実装効率の3点で大きな優位性を持つ。大規模AIモデルの学習や高性能計算など、極めて高いデータスループットが求められる用途に最適とされている。
マッコーリー証券リサーチ(Macquarie Equity Research)のデータによると、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)の主要HBM供給元であるSKハイニックスは、昨年のHBM市場で61%という圧倒的なシェアを占めた。これに続くのは米Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)とサムスン電子で、それぞれ20%、19%のシェアとなっている。
SKハイニックスは来週、2025会計年度第4四半期(12月31日終了)の決算を発表する予定で、市場ではAI需要の急拡大を背景に、大幅な業績改善が見込まれている。
サムスン電子も業績好調
一方、同社の国内競合であり、世界最大のメモリ半導体メーカーであるサムスン電子は先週、25年第4四半期(10〜12月)の速報業績を発表した。AIブームを背景としたメモリ価格の上昇を受け、同四半期の営業利益は大幅に増加し、市場予想を上回った。
速報値によると、サムスン電子の昨年10~12月期の営業利益は20兆ウォン(約138億ドル)と、前年同期比で208%増加した。これはLSEG SmartEstimateが予想していた18兆ウォンを上回り、同社史上最高の四半期営業利益となる見通しだ。
ここ数カ月、メモリ半導体価格は継続的に上昇している。半導体業界がAI関連チップの生産へとシフトする中、従来型メモリの供給余力が圧迫されていることに加え、AIモデルの学習・運用に伴い、汎用チップから高性能チップまで幅広い需要が同時に拡大しているためだ。
SKハイニックスとサムスン電子はいずれも、このメモリ価格上昇の恩恵を受けている。今週初めには、両社がサーバー、PC、スマートフォン向けDRAM顧客に対し値上げを提示し、今年第1四半期の価格が前年第4四半期比で60~70%上昇するとの報道も伝えられている。



