サムスンが半導体ライン縮小へ、受注減で
米中対立でSMIC台頭も
韓国サムスン電子がファウンドリー(半導体受託生産)部門で苦戦を強いられている。受注の落ち込みを受けて、同社はすでに平澤(ピョンテク)半導体工場の一部生産ラインの稼働を停止した。稼働を停止したラインは、奇しくも中国で生産需要が拡大している4、5、7ナノメートル(nm)プロセスに集中しているが、サムスンはこれらの生産を縮小し、中国という巨大市場における商機を自ら放棄することになる。
韓国紙『朝鮮日報』などによると、サムスンは平澤キャンパスP2、P3工場のファウンドリー生産設備を既に30%以上稼働停止しているが、年末までに約50%まで拡大する。
ファウンドリー受注の不振が理由とみられる。サムスンはファウンドリー事業の重要顧客である米Apple(アップル)を台湾積体電路製造(TSMC)に奪われた。またクアルコムの先進半導体はサムスンが生産受託を独占してきたが、5ナノ工程の一部先進プロセスは台湾積体電路製造(TSMC、台積電)に受注が分散した。
サムスンは、7ナノ、5ナノ世代において後れを取り、製造歩留まり、トランジスタの集積密度ともにTSMCを下回った。TSMCとの技術差が拡大するにつれて、サムスンの受注は縮小に向かった。
騰訊網によると、米中半導体摩擦における非常に明らかな傾向は、TSMCの競争力が増すと同時に、半導体国産化の機運を追い風に、中国のファウンドリー最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)が力を付けていることだ。
中国は7ナノ以上の半導体分野ですでに独自のビジネス生態系を構築した。これを足掛かりにして、7ナノ、5ナノでも技術ブレークスルーを果たし、最終的に米国の半導体産業との決戦に挑む構えにあり、サムスンを半導体競争とう舞台の主役から脇役へと引きずりおろす勢いにある。