ルネサスエレクトロニクス、SiCウエハーの長期調達で米Wolfspeedと締結
半導体大手のルネサスエレクトロニクス(東京都江東区)は5日、SiC(炭化ケイ素)技術の米Wolfspeed(ウルフスピード、ノースカロライナ州ダーラム)から今後10年間にわたりSiCウエハー(ベア / エピタキシャル)を調達するため、20億米ドル(約2,885億2,000万円)の保証金を支払う契約を交わしたと発表した。ルネサスは2025年に炭化ケイ素パワー半導体の量産を開始する予定だ。
ウルフスピードは、ルネサスエレクトロニクスに対し、25年からの炭化ケイ素パワー半導体の本格生産に向け、150mm炭化ケイ素ベアウエハーおよびエピウエハーを供給する。ウルフスピードの米ノースカロライナ州にある炭化ケイ素製造センターの本格稼働後は、200mm炭化ケイ素ベアウエハーおよびエピウエハーを供給する予定だ。
ルネサス エレクトロニクスの20億ドルの出資は、米国ノースカロライナ州チャタム郡にある世界最大の炭化ケイ素材料施設であるジョン・パーマー炭化ケイ素製造センターを含む、ウルフスピードの継続的な能力増強プログラムを支援するもので、ウルフスピードのノースカロライナ州ダーラム・キャンパスにある既存の炭化ケイ素製造能力の10倍以上になる計画だ。
電力の供給や制御を担う高効率なパワー半導体の需要は、電気自動車(EV)や再生可能エネルギーの普及などにより拡大している。ルネサスは、こうしたパワー半導体の需要の増加に対応するため、直近では、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)向けに甲府工場(山梨県甲斐市)の再稼働を発表したほか、SiC向けには、高崎工場(群馬県高崎市)に製造ラインを新設することも表明している。