中国出前サービスの美団、AIスタートアップを2.8億米ドルで買収 LLMに参入

中国のネット出前サービス最大手の美団(北京市、メイトゥアン)は6月29日、人工知能(AI)スタートアップの北京光年之外科技の発行済み全株式を2億8,500万米ドル(約412億4,000万円)で取得すると発表した。AI生成コンテンツ(AIGC)領域で中国最大規模のM&A(合併・買収)となる。

光年之外は美団の共同創業者だった王慧文氏が「中国版OpenAI」を目指して今年2月に立ち上げたばかり。創業から買収されるまでの時期が中国で最短の創業プロジェクトとなった。

光年之外は今年4月、大規模言語モデル(LLM)の開発を手掛ける北京一流科技を買収すると発表した。米OpenAIの対話型AI「ChatGPT」が世界中でヒットするなか、美団は光年之外の買収を通じて、LLMに本格参入することになる。

王慧文氏は今年2月、「汎用人工知能(AGI)を手掛ける光年之外を設立し、中国版OpenAIを打ち立てる」と宣言し、5,000万米ドルの自己資金を投じる計画を明らかにした。それからわずか4カ月余りで新会社を手放す背景には、王氏の健康問題があるようだ。

王氏は今年5月にうつ病と診断され、入院治療を開始したもよう。美団は6月25日、王氏が健康上の理由で、非執行董事、董事会指名委員会委員、授権代表者の役職をすでに離れていると公表した。

世界でLLM関連企業の買収・合併(M&A)が活発化している。ビッグデータのユニコーンである米Databricks(データブリックス)は6月26日、独自の大規模言語モデル(LLM)を開発するスタートアップであるMosaicML(モザイクML)を総額13億米ドルで買収すると発表している。

CONNECTED TRANSACTIONS IN RELATION TO THE ACQUISITION OF THE ENTIRE INTEREST IN LIGHT YEAR

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