華虹半導体も7nmプロセス技術確立か、SMICに続く中国2社目

半導体受託製造(ファウンドリー)大手の華虹半導体(上海市)が7ナノメートル(nm)チップ製造技術を確立したもようだ。中芯国際集成電路製造(SMIC、上海市)に続いて中国本土で2社目となる7nmプロセス保有企業となる。

中芯国際がオランダのASML製の露光装置に依存する形で7nm技術を実現したのに対し、華虹半導体は国内サプライチェーンと連携して突破を図った点が特徴とされる。現時点では生産能力や歩留まりで差があるものの、中国製半導体装置メーカーにとって大きな自信材料となる可能性がある。

16日には米ロイター通信などの報道を受け、香港市場に上場する華虹半導体の株価が一時11%超上昇、上海市場の華虹公司も一時16%超上昇した。華虹集団が7nmチップ製造技術を確立し、傘下の華力微電子が上海工場で量産準備を進めているとの情報がある。さらに中国GPU(画像処理半導体)メーカーの上海壁仞科技(BIRENTECH、上海市)が、このラインで試作(テープアウト)を実施したとされる。

これにより、中国本土では中芯国際に続く2社目の7nm対応ファウンドリーが誕生する見通しとなり、「国産チップの前進」「第2陣の追い上げ」といった期待が市場で広がっている。ただし、注目すべきは単なる「7nm達成」ではなく、その技術ルートの違いだ。

サプライチェーンの内製化

中芯国際の7nmはASMLの液浸露光装置を用い、多重露光によって実現する方式で、台湾積体電路製造(TSMC、台積電)や韓国サムスン電子も採用してきた一般的な技術ルートだ。

一方、関係者によると華虹半導体の第6工場は昨年から7nm研究を開始し、中国の半導体装置メーカーの支援を受けているという。その中には華為技術(ファーウェイ)が支援する装置企業、深セン新凱来技術(広東省深セン市)も含まれているとされる。このことは、華虹の7nmプロセスが国産装置によって稼働した初の先端ラインである可能性を示している。

歩留まりは課題

ただし、装置の安定性や歩留まり、品質の一貫性などは依然として課題とされる。関係者によると、華力微電子はまず月産数千枚規模の初期生産能力を今年末までに確立し、その後段階的に拡張する計画だという。

この規模は、すでに月産数万枚規模とされる中芯国際の7nm生産能力と比べるとまだ小さい。つまり現段階では「製造可能」という段階にすぎず、実際の需要を満たすにはさらなる拡大が必要となる。また、世界の先端プロセス競争ではTSMCが2nm、サムスンが3nm、米Intel(インテル)が18Aプロセスを進めており、華虹が7nmで参入する時点で競争環境はすでに先に進んでいる。

一方で、この突破は華虹単独の成果ではなく、中国半導体サプライチェーン全体にとって重要なシグナルともみられている。これまで中国の半導体製造は装置、材料、EDA(電子設計の自動化)ソフトなどで海外依存が大きな弱点とされてきた。華虹が国産装置で7nmプロセス開発を進めたことで、中国製装置が先端プロセス開発を支える能力を持つことが示された可能性がある。

華虹半導体は2025年12月、華力微電子の支配権取得を計画するとともに、技術高度化や研究開発のために75億6000万元の資金調達を発表している。これらの資金の多くは国産装置の導入に向かうとみられる。国産装置メーカーが華虹を支え、華虹が注文で装置メーカーの技術進化を後押しするという好循環が形成される可能性も指摘されている。

現在SMICの7nm生産能力は主に華為のSoC「麒麟(Kirin)」シリーズ向けに使われているとされ、ほぼ予約で埋まっている。中国のGPUメーカーである壁仞科技、摩爾線程(Moore Threads)、天数智芯(Iluvatar CoreX)などはこれまでTSMCやサムスンへの委託、あるいは中芯国際での順番待ちに依存してきた。華虹が参入することで、新たな生産ルートが生まれる可能性がある。

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