スズキが「スイフト」の生産停止、中国レアアース輸出規制で

スズキは5日、中国によるレアアース(希土類)輸出の規制が原因で、部品供給に支障が出たとして同社のコンパクトカー「スイフト(Swift)」の国内生産を一時停止すると発表した。中国の輸出規制が日本の自動車メーカーの生産活動に直接影響を及ぼした初めての事例で、今後、他メーカーにも波及する可能性がある。
レアアースは電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)のモーターなどに不可欠な材料で、世界供給の約70%を中国が担っている。中国政府は今年4月、7種類のレアアース金属について輸出規制を導入した。
スズキは6月6日から6月12日まで、スポーツタイプを除くスイフトの生産を一時停止する。その後、13日から一部稼働を開始し、16日以降は通常稼働に戻る計画だとしている。
中国の輸出規制による影響は日本国内にとどまらない。米国では5月末、Ford(フォード)がシカゴ工場でのSUV「エクスプローラー」の生産を停止。さらに、欧州の自動車部品業界団体CLEPAも、一部の部品メーカーがすでに工場を閉鎖せざるを得ない状況にあると明らかにしている。