中国、韓国企業へのレアアース輸出を初めて許可

中国政府がこのほど、米国へのレアアース輸出制限を維持する一方で、韓国の主要企業に対してレアアースの輸出許可を発行したことが明らかになった。韓国政府は中国の輸出政策に関する動向を注視している。愛集微が26日伝えた。
韓国産業通商資源部および関連業界関係者によると、中国商務部は5月、韓国企業が中国のサプライヤーを通じてレアアースを調達できるよう輸出許可を発行した。今年4月、中国は7種類のレアアースに対し新たな輸出規制を施行し、中国国外への輸出には特別許可が必要となっていた。今回の許可は、規制施行後初めて韓国企業に対して与えられたものとなる。
韓国政府関係者は「中国が数社の韓国企業に輸出を許可したことで、韓国国内のレアアース供給への懸念は一定程度緩和された」と述べた。ただし「依然として許可取得には最大で45日を要する状況に変わりはない」としている。
規制対象となっている7種のレアアースは、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムであり、スマートフォンや電気自動車(EV)などの先端技術およびグリーン産業に不可欠な素材だ。これらの供給に関して、世界は中国への依存度が極めて高い。
なお、5月12日にスイス・ジュネーブで行われた米中通商協議では、両国が関税を相互に最大115%引き下げるとともに、28社の米国企業に対するデュアルユース(軍民両用)製品の輸出制限を解除することで合意したが、レアアースに関する制限は今回の措置に含まれていない。