韓国の対中半導体輸出、Q1で23.5%減 9年ぶりの低さ 中国の半導体国産化が打撃

韓国産業通商資源部の発表によると、2025年第1四半期(1〜3月)における韓国の対中国輸出額は288億米ドル(約4兆896億円)にとどまり、過去9年間で最低水準となった。特に半導体分野では、中国企業による国産化の進展が韓国の輸出に大きな打撃を与えているとみられている。
第1四半期の対中半導体輸出額は137億3000万米ドルで、前年同期の179億4000万米ドルから23.5%減少した。背景には、24年の半導体輸出が異例の好調だったことによる「逆基数効果」があり、さらにNAND型フラッシュメモリの単価が24年第1四半期の4.8ド米ルから25年に入って2.25米ドルへと急落したこと、中国企業の生産拡大も韓国の半導体輸出に悪影響を与えているとみられる。
24年には中間財の対中輸出が1142億4000万米ドルに達し、韓国の対中輸出全体の85.9%を占めた。25年第1四半期も半導体が対中輸出額の約47%を占めており、依然として主力品目となっている。
しかし、トランプ米政権による対中高関税措置が本格化する中で、グローバルなサプライチェーンにも変化が見られる。西江大学国際関係大学院のHur Yoon教授は「韓国が中間財を中国に輸出し、中国が最終製品を米国に販売するというバリューチェーンは崩壊しつつあり、韓国の輸出は短期的に深刻な打撃を受ける可能性がある」と指摘している。
一方で、韓国の対米輸出は好調を維持しており、2025年第1四半期には303億4000万米ドルに達し、21年同期の227億3200万米ドル以来初めて対中輸出を上回った。この傾向が年末まで続けば、韓国の対米輸出が対中輸出を上回るのは23年ぶりとなる見込みだ。
韓国の対中輸出の全体に占める比率は21年の26%から2025年第1四半期には18%に低下した一方、対米輸出の比率は同じ期間に12%から19%に上昇。韓国の輸出構造は、明確に「脱・中国依存」へとシフトしている。
過去4年間で、韓国の対米輸出は33.5%増加した一方、対米輸入はわずかに0.2%減少しており、韓国の対米貿易黒字も拡大傾向にある。