「産業用インターネット」、中国経済の新しい成長エンジンに

清華大学社会科学学院経済学研究所はこのほど、「中国産業インターネット生態発展報告」と題するリポートを発表し、2019~21年にかけて、中国の国内総生産(GDP)に対する産業用インターネットの寄与度が拡大傾向にあり、産業(工業)用インターネットはGDP成長を促す重要なエンジンの一つになったと報告した。新華社電などが伝えた。

同研究所の試算によると、中国の産業用インターネットの実質増加値は、2018年が1兆8,180億元(約36兆8,143億円)、19年が1兆9,990億元、20年が2兆1,200億元、21年が2兆3,970万元と年を追って拡大した。

また、産業用インターネットのGDP寄与率は、19年が0.22%、20年が0.14%、21年が0.30%と総体的に上昇しており、突発的な事態が発生しない正常な情勢下においては35年に21%まで拡大すると予想され、産業用インターネットが重要な構成要素となっているデジタルエコノミーが経済成長を支える新たなエネルギーとなる見通し。

リポートでは、産業用インターネットは就業状況を改善すると同時に、地域間の発展格差を埋める作用を持つと指摘。沿海東部エリアの急速な発展が中西部にも恩恵をもたらすようになると分析した。

また、産業用インターネットのエコシステム(生態系)の形成は、専門性があり、精巧な技術力を持ち、独自性に優れ、革新力の高い「専精特新」中小企業や、ベンチャー企業の発展を後押しするとも指摘。資金面だけでなく、企業のブランド立ち上げや顧客創出、市場検証といった創業期の一連の難題を解決する上で役立つとした。

自動化された中国の倉庫=北京、2019年6月

产业互联网力促企业数字化转型

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