バイデン米大統領、半導体・AIなど対中投資規制を最終決定
米政府は米国時間28日、半導体やAI(人工知能)、量子コンピューターなど先端技術分野で、米国の企業や個人による中国(香港含む)への投資を制限する規制を2025年1月2日に発効すると発表した。規則は、米国の資本や専門知識が、中国に軍事的優位性をもたらす可能性のある先端技術の開発に使われるのを防ぐ狙いだ。
規制の枠組みの最終版は、今年6月に発表された提案とほぼ同じとなった。米財務省は6月21日、中国のAI、コンピューターチップ、量子コンピューターなどへの米国投資を制限・監視するための新規制案を発表した。提案は、バイデン米大統領が23年8月に出した大統領令に由来している。
規制は、主に先端半導体技術に特化した中国企業への米国投資を禁止するもので、幅広い電子機器に不可欠な旧型のレガシー半導体に重点を置く中国企業への投資については通知のみを求めている。米国はすでに中国への先端半導体の輸出を厳しく制限しており、今回の投資規制は既存の貿易制限を補完することを意図している。
一方、AI投資に関する規制は、問題のAIシステムのトレーニングに使用される計算能力だけでなく、その使用目的にも依存する。米国の企業や個人が、軍事的な用途が多い中国のAI企業の株式を取得することを禁止しており、その他の用途のAIモデルへの投資は、場合によっては禁止され、その他の場合には届出義務の対象となる。
上場証券や一部のLP(リミテッド・パートナー)投資への投資など、一定の資本移動は除外する。大まかに言えば、新ルールは、ワシントンのシンクタンクであるセキュリティー・新興技術センター(CSET)が審査した2023年の報告書にあるような投資モデルのカテゴリーを捕捉することを意図している。 研究者らは、2015年〜21年までの中国AI企業への世界的な投資案件の17%に米国人の参加があり、このうち約10件に9件はベンチャーキャピタルの段階だったという。
香港を含む米国の対中投資規制に強く反対
米国政府が香港を含む中国に対し、半導体やAIなどの分野で投資を厳しく制限することを決定したことについて、香港特別行政区政府の報道官は29日、「米国が政治的な利益のためにさまざまな口実で意図的に同国と香港特別行政区を標的にし、正常な投資・貿易活動を混乱させ、自由市場と経済秩序を破壊している」と非難した。