世界初、半導体チップ向けガラス基板工場
韓国SKグループが米国で試作量産開始
8日付韓国メディアBusinesskoreaによると、韓国SKグループの化学素材会社SKCがこのほど、米国ジョージア州コビントンで2億2000万米ドル(約354億4200万円)を投じて建設を進めていたガラス基板製造子会社、Absolics(アブソリックス)の半導体チップ向けガラス基板工場が完成したと発表した。すでに試作品の量産を開始しているという。
従来のプラスチック基板に比べ、ガラス基板は平坦性、熱安定性、機械的安定性などの面で優れた性能を持ち、高速信号をより低損失で伝達するとされる。Absolicsはこれまで、韓国慶尚北道亀尾市のパイロットラインでガラス基板サンプルを生産していた。ガラス基板材料を手がけているのはSKCのほか、サムスン電機、LGイノテックなど。
インドの調査会社、The Insight Partnersによると、ガラス基板の世界市場は、この技術がまだ黎明期にあるにもかかわらず、今年の2300万米ドルから34年には42億米ドルに成長すると予測している。
米半導体大手のIntel(インテル)も23年、ガラス基板技術を発表し、早ければ26年の量産を計画している。Intelは日本のパートナー14社とも手を組み、シャープの遊休LCD(液晶パネル)工場を先端半導体技術の研究開発(R&D)センターとして賃貸する予定で、おそらくガラス基盤技術の開発も行うとされている。
Intelのライバルである米半導体大手、Advanced Micro Devices(AMD、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)もガラス基板の採用に関心を持っている。サムスン電機も25年には試作技術を完成させ、26年にはガラス基板の量産を開始する予定だ。LGイノテックは今年、ガラス基板市場への参入準備のために関連部門を設立した。
世界のプラスチック基板市場は主に日本のイビデン、新光電気工業、台湾の欣興電子(ユニマクロン)が占めている。高性能半導体の需要に後押しされ、ガラス基板へのシフトが進む可能性が高まっている。