中国・上海で「世界人工知能大会」、スマホで使えるLLM多数展示
2024世界人工知能大会(WAIC)が4日、上海で開幕した。大手テック企業やAIベンチャーが大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)を用いた商品やサービスを展示し、来場者はAI技術がもたらす生活の変化を体験した。
LLMが大きな注目を集めた昨年は、その機能は、文章生成や文書処理、情報検索が中心だった。1年あまりを経て、バージョンアップが進んだ今年のWAICでは、多くのLLM商品が具象化され、LLMを活用したビジネスシーン向けや個人向けのサービスやAIエージェントが紹介された。
「このQRコードをスキャンしてアプリを開けば、私たちのAI技術を体験できます」「私たちのAIエージェントはアプリ内に搭載されていて、必要な時にタップするだけでサービスが始まります」…。今年のWAICは、アントグループ、騰訊(テンセント)、網易、百度、快手、商湯科技、科大訊飛(アイフライテック)などの企業ブースに展示されたLLM商品がいずれも“小型化”された印象だった。ここで言う小型化は、LLMがスマートフォン内に“圧縮”内臓されたことを指し、ユーザーはスマホのアプリやAIエージェントを通じて、LLMを“呼び起こし”、さまざまなサービスを手軽に享受できるようになった。
アントグループのブースでは、「コーヒーロボット」が来場者の注目を集めた。同社のキャッシュレス決済サービス「Alipay(アリペイ/支付宝)」のスマートアシスタントに話しかけるだけで、ロボットに熱々のコーヒーを淹れてもらえるという体験だ。この「AIオーダー」という新機能は、すでにスマホアプリ上でテストを開始しており、ユーザーはスマホに「どこどこのお店のアイスカフェラテを注文したい」と話しかけると、AIが自動で最寄りの店舗にオーダーをする。同機能はこのほかにも、外出、健康、行政サービス、金融など合計で8000項目を超える生活サービスに対応する。
LLMを活用したサービスは、ゲーム・娯楽、芸術、教育、医療・ヘルスケア、金融、製造、ライブコマース、事務、消費など分野に広がり、より多くの需要が掘り起こされつつある。
生成AIスタートアップ企業の百川智能は今年のWAICで、「AIヘルスヘアコンサルタント」を発表した。豊富な医学知識と医師の思考を持ち合わせたAIが、的確な問診を行った後に、収集した情報と照らし合わせて総合的な判断を行い、患者に適した助言や薬を提案する。