動画アプリ「抖音」、交通事業者のミニアプリ開設を解禁
ショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」の中国国内版である「抖音(ドゥイン)」を運営する字節跳動(ByteDance、北京市)は、タクシー、配車アプリなど、交通サービスを手掛ける事業者に向けてサービスの利用を開放した。
騰訊網が伝えた。すでに第1弾として、ネット配車サービスを手掛ける「T3出行」が抖音のアプリ内に、「ミニプログラム」(ダウンロードやインストールせずに閲覧利用できるアプリ内アプリ)を開設。ライドシェアの「順風車」や、その他のモビリティサービスプラットフォーマーも同様にアプリ内アプリの方式で、抖音への“進出”を果たした。
交通サービス事業者は今後、抖音のアプリ内で直接、自社サービスを展開できるようになる。これまでは、ポップアップ広告経由で、抖音の利用者を自社のアプリなどに誘導するか、あるいは、抖音のEC機能を利用して割引券を販売する方法しかなかった。
これにより、抖音は、アリババ集団傘下の地図情報プラットフォーム「高徳地図(Amap)」や、騰訊(テンセント)が提供するコミュニケーションアプリである「微信(ウィーチャット)」と同じく、第3者モビリティサービスの集合体プラットフォームへと変化。EC、生活サービスに続き、モビリティサービス分野へと事業の幅を広げることになる。
中国のモビリティサービス市場は巨大なポテンシャルを秘める。調査会社の広州威爾森信息科技のリポートによると、中国のネット配車市場は2025年に4,341億元(約8兆2,679億円)の規模に拡大する。