成熟プロセスの受託生産価格上昇か、中国ファンドリー間の価格競争に終止符

成熟製造プロセスを用いる中国のファウンドリー(半導体の受託製造)間で繰り広げられてきたし烈な価格競争に終わりが見えてきた。ファウンドリーで中国2位の華虹半導体が下半期のオファー価格を10%引き上げるとの観測が浮上し、2年間続いてきた成熟プロセスの受託生産価格の低下に終止符が打たれる可能性が濃厚視されている。

業界関係者によると、足元の地政学リスクを背景に、中国のファウンドリーの大部分は国内を主力市場としており、台湾のファンドリーとの棲み分けが見られ始めている。仮に成熟プロセスの受託生産価格が上昇基調に転じれば、民生用電子製品の需要回復を意味するものであり、聯華電子(UMC)、力晶積成電子製造(PSMC)、世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)など台湾の有力なファウンドリーにとっても下半期の値上げを後押しする根拠ともなりそうだ。

モルガンスタンレーは、成熟プロセスの受託生産価格の相場が上昇に転じることに高い関心を示してきた。華虹半導体に関して、「設備稼働率は100%に到達しており、下半期に受託生産価格を10%引き下げる可能性がある」と予測。台湾のファンドリーにとってみれば、中国同業との価格差が縮小し、競争圧力が軽減するメリットが得られるとし、世界先進積体電路と力晶積成電子製造の目標株価を引き上げ、投資判断を「中立」に上方修正した。

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