24年は「人型ロボット元年」、中国で量産・実用化へ

(中国電科の第21研究所のリリースより)

汎用人工知能(AGI)の技術が向上にするにつれて、ロボット産業でもAI駆動の汎用ロボットの開発が加速している。多くの専門家は、2024年は汎用人型ロボットが試作段階から量産・実用化へと進むとの見方を示しており、「人型ロボット元年」となる可能性がある。

米テスラはこのほど、自社開発の人型ロボット「Optimus」がシャツをたたむ様子を公開した。同社のタイムスケジュールによると、年内に「Optimus」の小ロット生産を始める。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は以前に、将来的に人型ロボットと人口の比率が2:1となったと仮定すると、人型ロボットの需要は100億~200億台に達し、人型ロボットに対する人類の需要は自動車を超える可能性すらあるとの予測を示している。

18日付第一財経によると、人型ロボットの開発を手がける中国の優必選科技(ユービーテック)の創始者である熊友軍最高技術責任者(CTO)はこのほど、「生成AI技術の成熟により、人型ロボットは新たなブームを迎える。次世代のヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)の中心となり、真の意味での“スマート端末”になる」と述べた。

中国政府はロボット産業に関連する政策を矢継ぎ早に発表している。工業情報化部が昨年10月に「人型ロボットイノベーション発展指導意見(ガイドライン)」を発表したほか、国務院が今年1月15日に発表した「シルバー経済を発展させ、高齢者福祉を増進させることに関する意見」で、次世代情報技術や、サービスロボットなどのスマートデバイスを自宅、社区での介護シーンに応用させていく方針を示した。

昨年下半期以降は地方レベルの政策も相次いで発表されており、中でも北京、上海、深センは人型ロボットの開発・応用を積極的に推進している。

中国電子学会の陳英副理事長によると、中国のロボット領域における国家レベルの専精特新「小巨人」企業および上場企業は「北京・天津・河北」、長江デルタ、珠江デルタの3エリアに集中しており、北京、上海、深センを代表するロボット産業群を形成した。

昨年は企業から人型ロボットの発表が相次いだ。中国IT(情報技術)大手の中国電子科技集団(中国電科)の第21研究所が昨年11月に人型ロボット初号機「電科機械人1号」を発表したのをはじめ、人型ロボット開発の上海智元新創科技(智元機械人、Agibot)が「遠征A1」、伝利叶智能が「GR1」、上海開普勒探索機械人が「先行者」シリーズ、達闥機械人が「XR4(七仙女)」を開発しお披露目している。

中国電科の人型ロボット初号機は、高さ1.62メートル、重さ約60キログラム。物を運ぶだけでなく、ボトルのキャップをひねったり、水を飲んだりするなどの器用な動作もできる。 中国電科が2年以上かけて独自に研究開発した。今年の第1四半期(1〜3月)に投入され、荷物や部品の仕分け、物流倉庫などでの応用検証が行われる予定となっている。

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