ハイセンスが自動車業界に本格参入、サンデンHDを買収
中国大手家電メーカー、海信集団(山東省青島市、ハイセンスグループ)傘下の海信家電集団(広東省佛山市、ハイセンス・ホーム・アプライアンス・グループ)は2日、13億元(約217億197万円)で自動車向け空調大手のサンデンホールディングス(HD)の株式の75%を取得し、支配株主となったことを発表した。
ハイセンスグループはエアコンや冷蔵庫、テレビなど国内家電市場でシェアが高いものの、海外市場や自動車分野では出遅れていた。2018年に東芝の子会社の東芝映像ソリューションを買収しており、日本の企業の買収は2社目。今回はサンデンホールディングスが持つ電動コンプレッサーや電気自動車(EV)向け統合熱管理システム技術を足がかりとして自動車業界へ本格参入に踏み切った形だ。
海信集団の報告によると、サンデンホールディングスは19年まではカーエアコン用のコンプレッサーで世界2位のシェアを誇ったが、その後の新型コロナウイルス感染症流行の影響による自動車販売の縮小、EVに対応するための投資増大や、米国の圧力によるイランからの撤退。これらの理由で財政困難に直面し、20年6月末に私的整理の1つである事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)制度の利用を申請して出資先を探していた。