中国版インスタ「小紅書」、EC事業を強化
中国版インスタグラムと呼ばれているSNSアプリ「小紅書(RED)」が、ライブコマースなど電子商取引(Eコマース)事業の強化に動いている。
柯南最高経営責任者(COO)は先ごろ、「ユーザー層を広げて、ECコンテンツをめぐるビジネスエコシステムを拡大させる」との戦略を明かした。同時に、ライブコマース部門の統括責任者が、ライブコマースの視聴回数500億回到達を目指すとする野心的な目標を掲げた。
小紅書は豊富なコンテンツを武器に、1日4,000万人近いECの潜在ユーザーを引き付けており、過去1年半あまりの間に登録ユーザー数は28倍、出店業者数は11倍に膨れ上がった。ただ一方で、騰訊網のニュースによると、小紅書のコンテンツに興味を持ったユーザーの多くが、他のECサイトで商品を購入していることが調査会社のリポートで明らかになるなど、膨大な利用者を収益につなげるビジネスモデルが確立されていないという課題がある。
業界関係者によると、小紅書は、写真や動画の記事に商品タグを埋め込んで、タップするとその場で購入できる仕組みを導入したり、出店業者の広告を直接掲載して、取引成立につなげたりと、利用者をサイト内につなぎとめるための工夫を講じたという。
小紅書は、化粧品や服飾品などのブランド品に興味がある女性利用者が多く、かつては利用者の7割以上が女性だった。しかし2021年から22年にかけて商品の掲載数や利用者の投稿数にかげりがみられたのをきっかけに、第一次ビジネスモデル改革を実施。SNSとECの機能を融合させ、新たな利用者層の取り込みを強化している。
小紅書の経営陣は今年初め、通年の売上高目標を240億元(約4,804億8,000万円)に設定し、このうちコンテンツが85億元〜100億元、ブランド広告とパフォーマンス広告が50億元〜70億元と見込んでいた。ただ年半ばに修正し、通年の売上高は約180億~200億元と予想しているとみられる。