サムスンとSK、超高層3D NANDの主導権巡り火花

SKハイニックスの世界初の321層NAND(同社リリースより)

NAND型フラッシュメモリーの技術が大きく前進する。サムスンとSKハイニックスの韓国の半導体大手2社は相次いで、メモリーセルの積層数が300層を超える超高層3DNANDフラッシュメモリーの技術を公表。超高層3D NANDの将来の技術路線を巡る主導権争いを本格化させている。

SKハイニックスは8月初旬、321層の3D NANDフラッシュ技術(4D V9技術)を使ったサンプルを公開した。サムスンはこのほど、積層数が300層を超える第9世代V-NANDフラッシュメモリーの生産を来年に開始する計画を明らかにし、将来の第10世代V-NAND技術は積層数が430層に達するとの見通しを示した。

中国の半導体メモリー最大手である長江存儲科技(長江メモリ)に対する米国の技術制裁がメモリー業界全体の生産能力縮小をもたらし、本来の市場競争メカニズムが崩されるなか、サムスンなどの中国以外のメモリーメーカーは、足元で値上げを検討している。台湾メディアの昨年12月の報道によれば、長江メモリが米国の制裁を受けた後、サムスンは3D NANDフラッシュメモリーを10%値上げする強気攻勢に出た。

サムスンとSKハイニックスが300層、400層超えの超高層3DNANDへと技術を前進させれば、長江メモリが被る米制裁コストはさらに上乗せされ、韓国2社が一段とシェアを広げる可能性も出てきた。

SK hynix Showcases Samples of World’s First 321-Layer NAND

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